p53欠損マウスおよび野生型マウスに半月体形成性糸球体腎炎を誘導することにより、腎疾患における老化関連因子p53の役割を検討した。p53欠損マウスでは腎炎の誘導による腎障害の悪化が、野生型マウスよりみられた。糸球体内における細胞増殖や細胞外基質の増加が、p53欠損マウスの腎障害の悪化に関与していた。野生型マウスに内因性p53の阻害薬を投与する実験においてもコントロール群と比較して腎障害の悪化がみられ、p53の腎保護的な役割が明らかとなった。さらに、細胞周期G1/S期に関与するサイクリン依存性キナーゼ2(CDK2)の活性化がp53欠損マウスの腎障害の悪化に関与していることが明らかとなった。
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