我々はこれまでに、マウスモデルにおける腎臓組織幹細胞移植による腎機能の改善を報告し、ヒト腎における腎臓組織幹細胞の存在について確認した。しかし、ヒト腎臓から得られる組織肝細胞は極めて少量で、臨床応用は不可能である。一方、ヒトiPS細胞の樹立により、患者本人の細胞から大量幹細胞が得られるようになり、iPS細胞から腎臓組織幹細胞を分化誘導できれば、新しい治療法開発が可能である。最近iPS細胞には樹立元の細胞記憶を残していることが報告され、本研究ではヒト腎臓細由来iPS細胞から効率良く腎臓組織幹細胞を分化誘導し、これを移植することにより、全く新しい腎不全に対する細胞移植療法の開発をめざす。平成26年度では、平成25年度で終えられなかったSCIDマウス用いた腎不全モデルを作成し、腎臓組織幹細胞移植により腎機能改善効果を検証した。
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