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2012 年度 実施状況報告書

CTGFを標的とした新規腎疾患治療の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23591190
研究機関京都大学

研究代表者

横井 秀基  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90378779)

キーワード糸球体腎炎 / 腎不全 / 線維化 / 炎症
研究概要

CTGFはTGF-betaにより誘導される増殖因子であり、TGF-betaと共調して細胞外基質産生作用を有する。本研究はコンディショナルCTGFノックアウトマウス(CTGF cKO)を用いて、抗糸球体基底膜腎炎モデルを作製し解析を行った。さらに糸球体上皮細胞特異的CTGFノックアウトマウスを作製し抗GBM腎炎を惹起した。
3週齢の全身性にタモキシフェン誘導性CreマウスであるRosaCreERT2とCTGF floxedマウスをかけあわせたマウスにタモキシフェンを投与し、8週齢で抗糸球体基底膜(GBM)腎炎を惹起し、その後4週間観察した。単離糸球体mRNAを用いてCTGFノックダウン効率を検討したところ50%であった。7日後における尿蛋白/尿クレアチニン比がCTGF cKOでは約50%に減少しており、28日後までこの傾向は持続した。28日後の血清Cr濃度、血清BUN濃度に抗GBM腎炎群では差を認めなかった。28日後の腎組織を検討したところ、抗GBM腎炎群コントロールマウス群では、CTGF陽性細胞はポドサイト、メサンギウム細胞に認められたが、CTGF cKOマウスでは陽性細胞数有意に減少していた。CTGF cKOマウスでは半月体形成率の低下、効果糸球体割合の低下、糸球体基底膜肥厚の軽減と糸球体内マクロファージ浸潤数の低下が認められた。抗GBM腎炎を惹起したCTGF cKOマウスはGBM腎炎コントロールマウスに比して、糸球体TGF-beta1, fibronectin, αSMA,およびcol1a1が有意に低下していた。糸球体上皮細胞特異的CTGFノックアウトマウスに抗GBM腎炎を惹起したところ、現在までのところ尿蛋白に関しては軽減が認められておらず、さらに解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した内容について、誘導性CTGFノックアウトマウスを用いた抗GBM腎炎の実験はおおむねの実験は進行している。糸球体上皮細胞特異的CTGFノックアウトマウスに関しても、解析を実施している。

今後の研究の推進方策

全身性のタモキシフェン誘導性CTGFノックアウトマウスは本年度は28日後での解析が主であり、タンパク尿が多い7日後における変化については十分検討できていなかった。そのため7日後に屠殺を行い、抗GBM腎炎における炎症、線維化の変化について検討を行う。また糸球体上皮細胞特異的CTGFノックアウトマウスにおける抗GBM腎炎の組織学的、mRNA発現を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Peritoneal fibrosis and high transport are induced in mildly pre-injured peritoneum by 3,4-dideoxyglucosone-3-ene in mice2013

    • 著者名/発表者名
      Yokoi, H., Kasahara, M., Mori, K., Kuwabara, T., Toda, N., Yamada, R., Namoto, S., Yamamoto, T., Seki, N., Souma, N., Yamaguchi, T., Sugawara, A., Mukoyama, M., and Nakao, K.
    • 雑誌名

      Peritoneal Dialysis International

      巻: 33 ページ: 143-154

    • DOI

      10.3747/pdi,2011.00033

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Natriuretic peptide receptor guanylyl cyclase-A protects podocytes from aldosterone-induced glomerular injury2012

    • 著者名/発表者名
      Ogawa Y, Mukoyama M, Yokoi H, Kasahara M, Mori K, Kato Y, Kuwabara T, Imamaki H, Kawanishi T, Koga K, Ishii A, Tokudome T, Kishimoto I, Sugawara A, Nakao K
    • 雑誌名

      J Am Soc Nephrol

      巻: 23 ページ: 1198-1209

    • DOI

      10.1681/ASN.2011100985

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exacerbation of diabetic nephropathy by hyperlipidaemia is mediated by toll-like receptor 4 in mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Kuwabara, T., Mori, K., Mukoyama, M., Kasahara, M., Yokoi, H., Saito, Y., Ogawa, Y., Imamaki, H., Kawanishi, T., Ishii, A, Koga, K., Mori, PK., Kato, Y., Sugawara, A., Nakao, K.
    • 雑誌名

      Diabetologia

      巻: 55 ページ: 2256-2266

    • DOI

      10.1007/s00125-012-2578-1

    • 査読あり
  • [学会発表] Inducible CTGF (CCN2) Knockout Mice Attenuates Anti-Glomerular Basement Membrane Nephritis2012

    • 著者名/発表者名
      N.Toda, H.Yokoi, M.Kasahara, K.Mori, T.Kuwabara, H.Imamaki, K.Koga, A.Ishii, Y.Kato, K.P.Mori, S.Ohno, A.Sugawara, M.Mukoyama, K.Nakao
    • 学会等名
      American Society of Nephrology Annual Meeting
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      20121101-20121101
  • [備考] 京都大学大学院医学研究科内科学講座 内分泌代謝内科

    • URL

      http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~med2/index-jp.html

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公開日: 2014-07-24  

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