研究課題
CTGFはTGF-betaにより誘導される増殖因子であり、TGF-betaの細胞外基質産生作用を増強する。本研究はコンディショナルCTGFノックアウトマウスを用いて、抗糸球体基底膜腎炎モデルを作製し解析を行った。3週齢のRosaCreERT2 x CTGF floxedマウスに4-ヒドロキシタモキシフェンを投与し、全身性誘導性にCTGFをノックアウト(CTGFcKO)した。CTGFmRNA発現は50%程度減少した。8週齢で抗糸球体基底膜(GBM)腎炎を惹起したところ、コントロールマウスでは多量の蛋白尿に加え、半月体形成、メサンギウム基質増加などの糸球体障害を認めるが、CTGFcKOマウスでは尿蛋白は50%減少していた。半月体形成、メサンギウム基質増加、Mac2陽性細胞浸潤も軽減していた。また電子顕微鏡による解析において糸球体基底膜肥厚も軽減していた。糸球体内のmRNA発現を解析したところ、TGF-beta1、alphaSMA、fibronectin、F4/80 mRNAの増加がCTGFcKOマウスにおいて減少していた。抗GBM腎炎がCTGF cKOマウスにおいて軽減する機序としては、マクロファージ浸潤に対してCTGFが重要な役割を果たしている可能性が想定される。ポドサイトやメサンギウム細胞もしくは神経系の細胞に発現しているCTGFがマクロファージ浸潤に重要な役割を果たしている可能性もあり、今後細胞特異的なCTGFノックアウトマウスを作製し、検討することが必要である。
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PLoS One
巻: 9 ページ: e88942
10.1371/journal.pone.0088942. eCollection 2014.
Clin Exp Nephrol
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