研究課題/領域番号 |
23591194
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
平野 世紀 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (20368616)
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研究分担者 |
寺田 典生 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (30251531)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 腎尿細管障害 / DNA修復 / 細胞周期 / 尿細管再生 |
研究概要 |
当初1)腎尿細管脱分化細胞の同定、2)尿細管細胞死におけるDNA修復の重要性の解明、を目的として実験計画を立案した。これらにおいて、尿細管の細胞増殖、再生に関しての基礎的研究は重要であり、共同研究者の寺田と共に研究を行った。 Six2-GDNF経路は腎臓の発生に必要な経路であるが、急性腎障害後の腎尿細管の増殖及び再生に寄与しているかは明らかではなかった。我々は、ラット腎における虚血再灌流実験により以下のことを明らかにした。1)Six2およびGDNFは虚血再灌流により腎尿細管で発現が亢進した。2)NRK細胞において、HGFやEGF等の細胞増殖因子はSix2およびGDNFの発現を増加させた。3)3D-Gelにおいて、Six2は尿細管細胞の管腔形成を促進した。以上より、Six2-GDNF経路は急性腎障害後の尿細管細胞増殖及び再生に寄与していると考えられた。 当初の研究計画では、細胞周期を蛍光標識した蛋白によりin vivoでモニターできるFUCCIマウスを使用し、急性腎障害後の細胞周期および細胞増殖の解析を行う予定だった。しかし、当方およびテクニシャンによるマウスによる腎臓虚血再灌流モデルの再現性および実験結果の一貫性に問題があり、信頼に足るデータが出ていない。また、当方の病院での臨床業務が近年の地方における医師不足により多忙を極め、自らが時系列でのマウス実験を遂行できなかった。以上の理由により当初の計画は全くの未達である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予備実験のデータとして、虚血再灌流によるFUCCIマウスにて障害後の細胞周期がG0期からG1期へ進行していることは確認できているが、その再現性に問題があり、これは虚血再灌流の条件設定の問題および、虚血再灌流による全身性変化(炎症性サイトカインの放出など)が関わっていると考えられる。現在虚血再灌流実験ができるテクニシャンが産休に入っており、同実験の進展が期待できない状態である。また、腎臓というin vivoを中心とした系を使用しているので、in vitro系に置き換えることが難しく、現在どのように実験を進展させるかを思案中である。
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今後の研究の推進方策 |
1.FUCCIマウスと同様の細胞周期FUCCI2-HeLa細胞を使用し、G0/G1→S期進行に対する基礎的実験を組み立てる。細胞のoriginは異なるが、障害後の細胞周期の進展に関しては同様であり、preliminaryなデータを蓄積する必要がある。具体的には、DNA障害薬剤に対する感受性及び障害後の細胞周期の変化、DNA修復/アポトーシスの解析、各種細胞増殖因子による細胞増殖及びDNA修復能の検討を行う。2.腎尿細管細胞株にFUCCIシステムを導入し、腎尿細管障害に対する反応をin vitroで観察する。1)で得られた知見を元に、腎尿細管細胞で同様の観察が可能か確認し、スクラッチアッセイによる尿細管細胞再生とDNA修復/細胞周期/細胞増殖に関して検討を行う。3.マウス虚血再灌流の実験系の再構築を行う。最終的には本年度中にマウス実験系の可否を判断する。
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次年度の研究費の使用計画 |
以上のように研究費使用に関しては十分ではなかったため、本年は上記1)-3)に対して、試薬、抗体、FUCCIマウスの購入などを行う予定である。また、実験の進行度合いにより、G0/G1/S期の細胞のFACSによるソーティングおよびその発現解析を行うためにアレイなどに研究費を使う予定である。
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