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2011 年度 実施状況報告書

ポドサイトにターゲットを絞った腎障害メカニズムの解明と新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591201
研究機関順天堂大学

研究代表者

淺沼 克彦  順天堂大学, 医学部, 助教 (60449064)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードポドサイト / アポトーシス / 活性型ビタミンD
研究概要

・ポドサイトのアクチン骨格:Rho family GTPasesの一つであるRac1のポドサイト特異的ノックアウトマウスを作製し、アドレアマイシンを静脈注射し、ネフローゼ症候群・糸球体硬化モデルを作製した。現在、蛋白尿・腎組織変化を検討中である。また、同時に培養野生型ポドサイトにconstitutive active Rac1, constitutive negative Rac1の遺伝子を導入しstable cell lineを作製した。今後、これらの細胞のphenotypeを検討する予定である。Synaptopodinに関係ある蛋白については現在、クローニングを行い、Synaptopodinと同時に遺伝子導入したときと、しない時でアクチン骨格の変化・細胞移動について検討中である。・ポドサイトのアポトーシス:ネフローゼ症候群・糸球体硬化モデルであるアドレアマイシン(ADR)腎症マウスに、活性型ビタミンD(OCT)を投与したところ、蛋白尿・糸球体硬化が著明に改善した。さらに、ADR腎症におきるポドサイトアポトーシスがOCTの投与により著明に抑制され、ポドサイト障害による糸球体からの脱落ポドサイト数が著明に減少していることが判明した。以上の結果は、(Am J Nephrol. 35. 58-68. 2011)へ報告した。さらに、ポドサイトアポトーシスを抑制することが知られているアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)とOCTを同時にADR腎症マウスに投与し、蛋白尿・糸球体硬化に対し相乗効果があるか検討したところ、ARBとOCTを同時に投与した群で蛋白尿・糸球体硬化の改善が認められ相乗効果が確認された。この結果については現在投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ADR腎症マウスを使用し、活性型ビタミンDがポドサイトアポトーシス・糸球体硬化の新規治療薬となりえることを見つけ論文投稿することができた。また、Rac1についてもconstitutive activeとneogativeの安定遺伝子導入ポドサイトの作製に成功し、現在そのphenotypeを検討できる状況にある。さらに、尿中podocalyxin濃度測定によりIgA腎症との病態との関係を検討し投稿中である。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、ポドサイト障害・糸球体硬化に対して活性型ビタミンDだけでなくARBを使用し、ADR腎症マウスを使用し効果を検討する。また、ポドサイト特異的Rac1ノックアウトマウスの検討、Synaptopodinノックアウトマウスのphenotypeを検討する。さらに、ヒト腎生検組織を使用し、尿中dendrin陽性細胞数と腎疾患との関連について検討予定である。

次年度の研究費の使用計画

マウスの維持費用、分子生物学的手法に用いる試薬の購入費用として使用する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Effects of 22-oxa-calcitriol on podocyte injury in adriamycin-induced nephrosis.2011

    • 著者名/発表者名
      Lydia A, et al.
    • 雑誌名

      Am J Nephrol.

      巻: 35 ページ: 58-68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Doxorubicin-induced glomerulosclerosis with proteinuria in GFP-GABARAP transgenic mice.2011

    • 著者名/発表者名
      Takagi-Akiba M, et al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Renal Physiol.

      巻: 302 ページ: F380-389

    • 査読あり
  • [雑誌論文] mTORC1 activation triggers the unfold protein response in podocytes and leads to nephritic syndrome.2011

    • 著者名/発表者名
      Ito N, et al.
    • 雑誌名

      Lab Invest.

      巻: 91 ページ: 1584-1595

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dendrin location in podocytes is associated with the disease progression in animal and human glomerulopathy.2011

    • 著者名/発表者名
      Asanuma K, et al.
    • 雑誌名

      Am J Nephrol.

      巻: 23 ページ: 537-549

    • 査読あり
  • [雑誌論文] One-year results of an open-label study on antiproteinuric effect of benidipine in elderly patients with chronic kidney disease.2011

    • 著者名/発表者名
      Tomino Y, et al.
    • 雑誌名

      J Nephrol.

      巻: 24 ページ: 756-763

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of Cyclosporine on podocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Asannuma K
    • 学会等名
      The 11th Asian Congress of Pediatric Nephrology(招待講演)
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2011 – 0603
  • [学会発表] 新規スリット膜蛋白・dendrinのポドサイト障害における役割

    • 著者名/発表者名
      淺沼克彦
    • 学会等名
      第39回新潟腎カンファレンス (招待講演)
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      平成23年9月22日
  • [学会発表] ネフローゼ症候群・糸球体硬化モデルとヒト糸球体疾患におけるスリット膜関連蛋白―デンドリンの核移行と糸球体病変との関連性.

    • 著者名/発表者名
      高木美幸、他
    • 学会等名
      第12回東京腎炎・ネフローゼ研究会(招待講演)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      平成23年7月23日
  • [学会発表] 「FSGSの病態と治療」ポドサイト障害と糸球体硬化の発症・進展機序

    • 著者名/発表者名
      淺沼克彦
    • 学会等名
      第12回東京腎炎ネフローゼ研究会(招待講演)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      平成23年7月23日
  • [学会発表] FSGSを上皮細胞のバイオロジーから考える、糸球体硬化におけるポドサイト喪失とそのメカニズム

    • 著者名/発表者名
      淺沼克彦
    • 学会等名
      第54回日本腎臓学会学術集会(招待講演)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      平成23年6月16日
  • [学会発表] ポドサイト障害メカニズムの分子生物学的検討

    • 著者名/発表者名
      淺沼克彦
    • 学会等名
      第54回日本腎臓学会学術集会(招待講演)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      平成23年6月15日

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公開日: 2013-07-10  

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