研究課題
Klotho蛋白の抗線維化作用についての分子生物学的機序の解明を進め、TGFの系が主体であり、さらに細胞内シグナルではERKの関与を検討した。Klotho蛋白の抗線維化作用については、線維芽細胞、尿細管細胞を用いて、wound healing scratch assayにて定量化した。scratch後の細胞被覆領域の回復を測定することで、増殖、線維化の程度を定量化できた。Klotho蛋白の添加により抑制的に作用することが観察された。腎のリン輸送体とKlothoの関わりについては、本年度、そのノックアウトマウスが取得できずに、この企画の進展が遅れた。候補としては、Klotho欠損マウス、Npt2b欠損マウス、およびNpt2b阻害状態(ここではsiRNA)が挙げられたが、Klotho欠損マウスを用いて、Npt2b遺伝子破壊をsiRNAにより導入した。高リン血症、動脈硬化、骨粗鬆症、短命などの症状が改善するか検討したが、siRNAによる発現抑制が短期であり、長期の慢性的な影響を観察するモデルとしては適さなかった。本年度が最終であるため、本モデルで結果を観察したが、今後の展開を踏まえて、当初の計画通り輸送体の遺伝子改変動物のリストアップ、適性の検討も並行して行った。血中Klothoレベル測定は引き続きenzyme assayのデータの検証を続けつつ、当院に設置されているSELITOF MS装置を用いて測定を試みた。CKD動物モデルではKlothoの発現が腎組織および血中レベルで低下する傾向が認められた。
すべて 2013
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Physiological Reports
巻: - ページ: -
10.1002/phy2.172