早期老化モデルとして報告されたKlotho欠損マウスが、慢性腎臓病(CKD)に酷似した病態を引き起こすことで注目され、その後、Klothoがリン利尿ホルモン(FGF23)の受容体であることが解明されリン代謝に重要な意義を持つ。この研究計画で、われわれは、Klothoの生物学的な働きと抗繊維化作用、臨床上でのヒトでの測定などに重点をおいた研究を行った。実際にCKDではKlothoの腎での発現が抑制され、さらに腎の繊維化は障害の基本的病態であるが、Klothoの低下がそれを促進させ、悪循環を形成することが判明した。CKDの治療戦略上Klothoは重要な標的物質になるものと考えられた。
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