研究課題/領域番号 |
23591212
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
鶴岡 秀一 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50285798)
|
研究分担者 |
山縣 邦弘 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90312850)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
|
キーワード | 尿毒症性物質 / インドキシル硫酸 / バイオ人工腎臓 / 尿細管輸送 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、インドキシル硫酸(IS)を含む各種アニオン型尿毒症性物質の中から、腎不全患者の動脈硬化発生に強く関与する物質を明らかにすることである。そのために昨年に引き続き以下の検討を行った。 1)培養平滑筋細胞の増殖作用を指標とした、各種タンパク結合型尿毒症性物質のスクリーニング:昨年度までにISのみならずフランジカルボン酸(CMPF)、p-クレシル硫酸(PCS)にもIS以上に強い増殖作用のあることを確認した。今年度はある種のスタチンを前投与しておくことにより、IS、CMPF、PCSによる増殖を軽減できることを明らかにした。 2)アニオン輸送体発現尿細管培養細胞によるハイブリッド型人工臓器の作成:昨年度までに有機アニオン輸送体-3型(OAT-3)高発現細胞において、IS,CMPF、PCSの輸送が促進されることを明らかにした。今年度はこの細胞をホロファイバーによるハイブリッド型人工臓器上に培養し、腎不全モデル動物における毒素除去効果の検討を開始した。少なくとも機器による有害事象はなく、今後毒素濃度測定による有効性の評価を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養平滑筋細胞における尿毒素の影響については、測定までほぼ終了した。 ハイブリッド型人工臓器についても安全性の検討までは終了し、あと1年あれば有効性評価も可能と考えられる
|
今後の研究の推進方策 |
スタチンによる尿毒素依存性細胞増殖の抑制に関する細胞内メカニズムを明らかにする OAT3-発現細胞によるハイブリッド型人工臓器の有効性評価を終了させる
|
次年度使用額が生じた理由 |
尿毒素測定をまとめて行うことでコスト削減を狙っていたが、検体収集が完全に終わらなかったため
|
次年度使用額の使用計画 |
残額も全て用いて今年度にまとめて測定する
|