研究課題
microRNAによる治療応用腎臓に高発現している既報の73個のmicroRNAと酸化ストレスにより制御されうるmicroRNAをin silicoでサーチし、腎臓細胞での発現を確認した。miR29aは酸化ストレスにより著明に発現が抑制されるものであった。一方miR124a, 135,195は発現が亢進した。またmiR29aはrac1の活性化酵素であるTiam1の発現を抑制することを確認した。miR29aを介しTiam1が抑制されることでrac1の活性化が抑制された。Rac1はmineralocorticoid受容体を活性化するが、実際片腎摘出食塩負荷動物モデルでは酸化ストレスの増大とmiR29aの低下およびRac1の活性化をみとめ、腎臓の線維化が増悪した。このモデルでmineralocorticoid 受容体拮抗薬あるいはmiR29aの補充は腎障害を抑制することが明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
昨年までの各種microRNAと転写調節についての研究から、本年は当初予想していない結果を産むことができた。すなわちin silicoでサーチしたmiR29aが各種遺伝子の発現を制御することが明らかになり、酸化ストレスによる臓器障害の進展を抑制する可能性が示唆された。現在論文を投稿中である。
我々はすでにrac1の活性化がmineralocorticoid受容体活性を介して食塩感受性高血圧を発症させることを示しているが、miR29aの低下は腎臓の線維化のみならず食塩感受性高血圧の発症に関連する可能性が示唆される。今後血圧上昇における役割を明らかにする。
研究費は主としてマウス飼育、microRNA作用の確認のためのRIP assay, ChIP assayの試薬並びに発現定量のためのRTPCR試薬に充てる
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