昨年までの検討でmiR29aの低下がmineralocorticoid受容体活性化を介して腎障害を引き起こす可能性を明らかにした。本年はさらにmiR29aの局在の検討とmiR29aの補充による腎障害軽減およびmineralocorticoid受容体を介した食塩感受性高血圧の発症に与える影響を検討した。 内在性miR29aの存在はreal timePCRにて確認されていたが、腎臓内での局在を検討するためにin situ hybridizationを試みた。しかし、培養細胞では結果を得ることができるものの組織ではクロスリンクが不安定で一定した結果を得ることができなかった。 一方、マトリゲルを用いたmir29aの導入を行い、GFPを結合させたmiR29aにより導入したmiR29aが尿細管に存在することが確認できた。またmir29aの導入により腎臓障害が抑制されることを病理標本で確認した。 さらにmiR29aの導入により食塩負荷時の血圧上昇が抑制されることが確認できたが、ミネラロコルチコイド受容体を介した作用であるか、腎障害が改善された結果であるかの確証を得るに至らなかった。
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