研究課題/領域番号 |
23591214
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤乘 嗣泰 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50292917)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 糖尿病性腎症 / プロレニン / アンジオテンシン / 微量アルブミン尿 |
研究概要 |
ラット腎における標識ヒトプロレニンまたはヒトアンジオテンシノーゲンの糸球体濾過と尿細管endocytosisの解明Evans blueで標識したヒトプロレニンまたはヒトアンジオテンシノーゲンを正常およびSTZ糖尿病ラットに投与して,尿細管endocytosisを免疫電顕とEvans blue蛍光を蛍光顕微鏡でも観察した。抗ヒトプロレニン抗体による免疫染色を行い、電顕レベルで糖尿病ラットの近位尿細管、集合管、podocyteでendocytosisが確認された。微量アルブミン尿を呈する糖尿病ラットではヒトプロレニンまたはヒトアンジオテンシノーゲン投与により有意な血圧上昇がみられた。糖尿病では腎尿細管でのレニンとアンジオテンシノーゲンのendocytosisが亢進し、腎でのアンジオテンシンII産生が増加し、血圧上昇に関与していることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では大量に投与できるEvans blue標識アルブミンでは近位尿細管、podocyteのendocytosisが光顕でも観察できたので、簡単であると推測された。しかし、ヒトプロレニンまたはヒトアンジオテンシノーゲンは少量しか投与できず、光顕レベルでは明らかではなく、endocytosisの可視化に難航している。
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今後の研究の推進方策 |
プロレニンやアンジオテンシノーゲンのendocytosisの可視化を腎動脈よりの局所投与や、腎スライスでのendocytosisの検討など別の方法を試す。microdissectionした尿細管と糸球体でプロレニンやアンジオテンシノーゲンのendocytosisされる量が糖尿病とコントロールで差があるかmicrodissection Western blotで同定する。アンジオテンシンIIの産生量をこれらのsegmentで比較する。ヒトプロレニンの受容体の局在を検討する。プロレニン受容体はH+-ATPase subunit ATP6ap2と相同性があり、集合尿細管間在細胞,podocyteなどH+-ATPaseの発現の多い部位のエンドソームにプロレニンが取り込まれるか調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
microdissection tubular segmentでのアンジオテンシンIIの測定。プロレニン受容体とH+-ATPaseの免疫電顕、ヒトプロレニン、アンジオテンシノーゲンの購入など
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