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2013 年度 実績報告書

グリア新生と血管新生の両者を標的としたALS脊髄再生誘導

研究課題

研究課題/領域番号 23591229
研究機関東北大学

研究代表者

割田 仁  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30400245)

キーワード神経再生 / 運動ニューロン / 神経変性
研究概要

進行性の運動ニューロン変性に対して、不十分ながら成体脊髄がもつ内在性の再生能力を活性化させる効果的な神経再生誘導法を開発するための基盤研究を行った。本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)変性脊髄における内在する神経幹/前駆細胞を単に増殖させるだけでなく、過度なグリア新生の抑制、ニューロン新生の促進、そのために必要な微小血管新生のコントロールを効果的に行って再生の場を形成する治療戦略を見出すことを目的としている。
前年度までに、発症後のALSモデルラット脊髄に未分化神経前駆細胞の増殖と未成熟ニューロンのマーカーを発現するニューロンの出現を確認した。さらに、ALSモデルラット骨格筋においても運動ニューロン軸索変性に伴う神経原性筋萎縮が慢性に進行する中で、内在性の骨格筋再生機転が存在していることが明らかとなった。
本年度、ALS脊髄運動ニューロンの変性脱落に伴う新生細胞の増加を潜在的な神経新生環境とみられる脊髄中心管周囲においても解析した。脊髄中心管周囲では、運動ニューロン病変から離れているにもかかわらず発症早期から活発な新生細胞増加が認められた。その多くはグリア増生とグリア炎症に関与している中で、少ないながら内在性未分化神経前駆細胞の増殖も認められた。このALSモデルラットで再生誘導因子、とくに微小血管新生調整作用をもつ因子の髄腔内持続投与を発症後に行うと、部分的な内在性再生機転の促進が認められた。このような神経再生誘導が新たな治療戦略となる可能性がある。一方、新たに内在性再生を検出しやすいALSモデルラットの作出を試みた。現在、ALSモデルラットとしての妥当性、および胎生期から生後、ALS様症状の発症期に至るまで、内在性神経幹/前駆細胞を中心に縦断的な組織学的解析を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 神経変性と機能保持・回復の神経科学的基盤2013

    • 著者名/発表者名
      割田仁
    • 雑誌名

      神経治療学

      巻: 30(6) ページ: 718-721

  • [雑誌論文] ITIH4 and Gpx3 are potential biomarkers for amyotrophic lateral sclerosis.2013

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H, Shimazawa M, Takata M, Kaneko H, Tsuruma K, Ikeda T, Warita H, Aoki M, Yamada M, Takahashi H, Hozumi I, Minatsu H, Inuzuka T, Hara H
    • 雑誌名

      J Neurol

      巻: 260(7) ページ: 1782-1797

    • DOI

      10.1038/jhg.2013.9.

    • 査読あり
  • [学会発表] 変異SOD1によるラット神経変性モデル脊髄における微小血管壁細胞2013

    • 著者名/発表者名
      割田 仁,水野秀紀,加藤昌昭,鈴木直輝,青木正志
    • 学会等名
      第36回日本神経科学大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20130620-20130623
  • [学会発表] 筋萎縮性側索硬化症モデルラット微小血管の壁細胞を標的とした運動ニューロン保護2013

    • 著者名/発表者名
      割田仁、水野秀紀、加藤昌昭、鈴木直輝、青木正志
    • 学会等名
      第54回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130529-0601
  • [学会発表] 東北大学における家族性ALS遺伝子検査の検討2013

    • 著者名/発表者名
      加藤昌昭、割田仁、井泉瑠美子、島倉奈緒子、安藤里紗、鈴木直輝、青木正志
    • 学会等名
      第54回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130529-0601
  • [備考] 東北大学神経内科

    • URL

      http://www.neurol.med.tohoku.ac.jp/index.html

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公開日: 2015-05-28  

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