研究課題/領域番号 |
23591234
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
池内 健 新潟大学, 研究推進機構超域学術院, 准教授 (20372469)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド / タウ / リン酸化 |
研究概要 |
アルツハイマー病の病態機序として,アミロイドβ(Aβ)蓄積→異常リン酸化タウ→神経細胞障害にいたる「アミロイドカスケード」仮説がある.アミロイドカスケードの最上流に位置するAβ蓄積に関する機序が進む一方で,過剰Aβから異常リン酸化タウに至る機序はほとんど未解決である.本研究は,過剰Aβ→異常リン酸化タウを再現する共培養システムを構築し,この過程において変化する分子群を網羅的に解析する.この解析により,Aβ依存性に異常リン酸化タウを誘導する新たな標的分子を同定することを目的としている. 本年度は,過剰Aβ→異常リン酸化タウを再現する共培養システムの構築を行った.ドナー細胞として過剰もしくは異常Aβを産生する細胞(HEK293)を,レシピエント細胞として初代神経培養細胞を共培養し,細胞外Aβがレシピエント細胞のタウ異常リン酸化を誘発できるか否かを検討した.過剰Aβ(APP Swedish変異),過剰Aβ42産生(PSEN1ΔT440変異),オリゴマーAβ(APPPΔE693変異)を産生するドナー細胞(HEK293)をレシピエント初代神経培養細胞と共培養を行い,レシピエント細胞の内在性タウを評価した.総タウ(Tau-5),脱リン酸化タウ(Tau-1)ではmock発現ドナー細胞と変化を認めなかった.しかしながら,リン酸化特異抗体(AT8: p198/202,PHF6: ,AT180:)で解析を行うと,過剰および異常Aβを産生するドナー細胞との共培養で,リン酸化タウの蓄積が認められた. このAβ依存性異常タウリン酸化が生じる共培養システムを用い,レシピエント初代神経培養細胞からRNAを回収し,網羅的解析を行う準備が整った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した予定にほぼ沿った形で研究が進行しているので.
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今後の研究の推進方策 |
Aβ依存性異常タウリン酸化が生じる共培養システムを用い,レシピエント初代神経培養細胞からRNAを回収してRNAの品質をBioanalyzerを用いてチェックする.RNAチェックをクリアーしたサンプルについては,マイクロアレイを用いた網羅的な発現変動の解析を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品 700千円,旅費 100千円を予定している
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