研究概要 |
【目的】平成23年度の検証に基づきポリグルタミン鎖重合形成を阻害する薬剤の選定を行う。 候補とする薬剤は、これまでのスクリーニング研究で検討されていない生薬成分、内服が可能な低分子化合物等を検討した。 【方法】ポリグルタミン鎖を含む抽出蛋白は、HEK293T細胞に部分DRPLA Q80-mYFPを発現するplasmidをtransfectionにて遺伝子導入し、48時間後にcell lysateを回収することで用意した。検討薬剤は、生薬30種類および、既報にない低分子化合物等を検討した。ポリグルタミン鎖を含んだcell lysateに各薬剤を添加し、37℃で12時間のincubateし、非変性状態で10% ポリアクリルアミドゲル(Wako)にてnative-PAGE(10%ポリアクリルアミドゲル, TG bufferにて20mA定電流x5.5時間泳動)を行なった。蛍光イメージスキャナー(Typhoon9400, GEヘルスケア: excitation 488nm/emission 520nm) にて二量体のバンド検出を行った。各薬剤添加の効果は、濃度依存性にポリグルタミン鎖二量体の蛍光定量値の低下を有し、かつ添加終濃度の定量値が、対照であるDMSO添加の50%以下となっている薬剤を「効果あり」と判定した。 【結果】6種の生薬(構造はポリフェノール属)と1種類の低分子化合物において、ポリグルタミン鎖の二量体形成阻害が確認された。 【今後の方針】in vitroでの有効性があった薬剤について、平成25年度課題として、細胞モデルおよび動物モデル(線虫、transgenic mice)での治療効果検討へ進める計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
【平成25年度】 上記研究内容の遂行の為、通年的な線虫およびマウスの飼育管理が必要となる。加えて、選定薬剤費用 、Semi-Denaturing Detergent-Agarose Gel Electrophoresisに使用するポリアクリルアミドゲル費用等がおもな直接経費の使用用途である。研究計画上に必要な測定機器はすでに準備済みであるため、高額な設備購入は計画していない。 ・線虫飼育管理費(線虫飼育培地作成, シャーレ, 各種試薬, 薬剤費用)200,000円 ・マウス飼育費用(餌等環境維持費, 薬剤費用)600,000円 ・Gel Electrophoresis関連(抗体費用, ポリアクリルアミドゲル, PVDF,ECL, 現像フィルム) 300,000円
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