今後の研究の推進方策 |
23、24年度の研究によって、shamblingマウスの中枢、末梢神経系の有髄神経線維では、軸索細胞骨格に異常があることが明らかとなった。パラノードにおけるパラノードジャンクションの欠失の影響が軸索全体に及び、細胞骨格タンパクNFの代謝・動態を障害させたと考えられる。さらに、軸索細胞質には変性小器官や異常封入体が存在し、また神経細胞体でも同様な異常が観察される。25年度は、 このような変性構造物が形成される時期や過程を解明し、さらにこの変性の分子基盤を明らかにする。研究には、生後2~3週齢から老齢期までの各時期で、マウスから、脳、脊髄、坐骨神経を取り出して用いる。研究方法; 1:光学・電子顕微鏡観察により、変性小器官や封入体の有無、変性の実体構造(小器官)を明らかにする。2:細胞内封入体の分子基盤を解析する。封入体構成分子の候補として、 LC3, beta-APP,TDP-43、Tau, alfa-synuclein, Ataxin, polyglutamineなどの抗体を用いた免疫組織化学法を行う。3:この封入体形成に関与する分子を同定するために、ユビキチンあるいはオートファジー関連タンパクの免疫組織化学染色ならびにウェスタンブロット法を行う。
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