研究課題
遺伝性骨格筋疾患、なかでも周期性四肢麻痺や非ジストロフィー性ミオトニー症候群といったチャネル異常症および筋強直性ジストロフィーのmRNAを中心とする病態について研究を行った。イントロン領域の変異がスプライシング異常を引き起こし、ミオトニー症候群を呈した1例を同定したことから、変異が同定されていない他の検体について、イントロン領域の変異によるRNA異常を検討したが、疾患との関連性が疑われる変異は認めなかった。いっぽうで、次世代シークエンサによる網羅的解析により、周期性四肢麻痺の原因としてこれまで知られていなかったGタンパク共役型内向き整流性カリウムチャネル遺伝子(Kir3.4)をコードするKCNJ5遺伝子に変異を1例で同定した。チャネル機能についてアフリカツメガエル卵母細胞発現系で検討したところ、周期性四肢麻痺の原因として既知の内向き整流性カリウムチャネル(Kir2.1)に対する電流抑制作用が認められたことから、心臓、骨格筋における病態が解明された。また、この結果は骨格筋における生理的機能が不明であったKir3.xファミリーについて、内向き整流性カリウム電流の量的調節というあらたな生理作用を示唆しており重要な発見である。筋強直性ジストロフィーについては、突然死の原因ともなる生命予後に重要な心臓における、RNA異常を中心とする病態を検討した。まず、心筋型NaチャネルのmRNAスプライシング異常を見出したため、変異チャネルを培養細胞に発現させパッチクランプ法による機能解析を行ったところ、機能喪失型の変化であった。この計測結果を用い、心筋細胞興奮性のシミュレーション研究を行い、心臓伝導障害に関与することを示した。
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