研究課題/領域番号 |
23591248
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
本村 政勝 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (70244093)
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研究分担者 |
吉村 俊朗 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80182822)
福田 卓 長崎大学, 大学病院, 研究員 (50437894)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 重症筋無力症 / 自己抗体 / 神経筋接合部疾患 / LDL受容体関連蛋白質4 / アセチルコリン受容体 / 筋特異的受容体型チロシンキナーゼ |
研究概要 |
重症筋無力症(MG)は、自己抗体の種類によって、1)アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性MG、2)筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性MG、そして、3)前記の抗体が検出されないdouble seronegative MGに分類される。我々は、AChR抗体陰性MG患者から、新たな自己抗体、LDL受容体関連タンパク質4(Low-density lipoprotein receptor-related protein 4, Lrp4)抗体を有する9症例を報告した(Ann Neurol. 2011)。その臨床像は、男女比4対5、発症平均年齢57歳、嚥下障害を主体とする全身型MGで胸腺腫の合併は無かった。さらに、受容体結合実験で、AgrinとLrp4の結合をMG患者のLrp4抗体が阻害することを証明した。以上より、Lrp4抗体がMGの病因抗体になる可能性を強く示唆した。本研究では,Lrp4抗体陽性MGの臨床像と神経筋接合部病態を解明し、「AChR抗体とMuSK抗体に次ぐ、第3番目の病因自己抗体になる」という理論仮説を検証する。神経筋接合部生検の症例数(現在の症例数は1例、目標3例以上)を増やす予定である。生検は、上腕二頭筋より行う。凍結切片で免疫染色を行い、免疫グロブリン・補体の沈着の有無を検討する。そして、電子顕微鏡にて、神経筋接合部の微細構造を観察し、その病態機序を考察する。自験例の結果は、運動終板に免疫グロブリン・補体の沈着は無く、電顕でも運動終板の破壊像は無い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最初の予定では、1年間で3例以上の神経筋接合部生検を考えていたが、実際の所、2例に留まっている。また、新しいLrp4抗体陽性MG症例も、9症例以降、見つかっていない。MuSK抗体陽性MG症例よりもさらに珍しいと推測され、そのために,症例の集積が困難になっている。
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今後の研究の推進方策 |
実際に計画していた予定より遅れているが、当初の計画通りに進めて行く。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定通りに、抗体測定を行う上必要な物品、及び、その成果を発表する学会に参加する旅費に、研究費を当てる予定である。
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