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2012 年度 実施状況報告書

新たな病因自己抗体、LRP4抗体陽性重症筋無力症の臨床像と神経筋接合部病態

研究課題

研究課題/領域番号 23591248
研究機関長崎大学

研究代表者

本村 政勝  長崎大学, 大学病院, 講師 (70244093)

研究分担者 吉村 俊朗  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80182822)
福田 卓  長崎大学, 大学病院, 客員研究員 (50437894)
キーワード重症筋無力症 / 新規自己抗体 / 神経筋接合部疾患 / Lrp4
研究概要

我々は、AChR抗体陰性MG患者から、新たな自己抗体、Lrp4抗体を有する9症例を報告した。その臨床像は、男女比4対5、発症平均年齢57歳、嚥下障害を主体とする全身型MGで胸腺腫の合併は無かった。さらに、受容体結合実験で、AgrinとLrp4の結合をMG患者のLrp4抗体が阻害することを証明した。以上より、Lrp4抗体がMGの病因抗体になる可能性を強く示唆した。本研究では,Lrp4抗体陽性MGの臨床像と神経筋接合部病態を解明し、「AChR抗体とMuSK抗体に次ぐ、第3番目の病因自己抗体になる」という理論仮説を検証する。Lrp4抗体測定法は、LUCIP assayを開発した。対象として既に当研究室で保存されている抗AChR抗体陰性MG患者300例、抗AChR抗体陽性MG患者100例、抗P/Q型VGCC抗体陽性LEMS患者101例、正常者(HC)100例の保存血清を用いた。正常上限値としては、正常者100例の平均+4SDの0.015 nMを用いた。同法で、MuSK抗体も測定した。その結果抗AChR抗体陰性MG患者300例中9例がLrp4抗体陽性で、抗体価は0.019~2.07 nM, 平均0.65 nMであることが判明した。疾患コントロールとしては、抗AChR抗体陽性MG患者100例は全て陰性、抗P/Q型VGCC抗体陽性LEMS患者101例中1例が弱陽性であった。今後は、Lrp4抗体陽性MG症例・神経筋接合部生検の症例数を増やす予定である。生検は上腕二頭筋より行う。凍結切片で免疫染色を行い、免疫グロブリン・補体の沈着の有無を検討する。電顕にて神経筋接合部の微細構造を観察し、その病態機序を考察する。自験例の結果は、運動終板に免疫グロブリン・補体の沈着は無く、電顕でも運動終板の破壊像は無い。現時点で,新しいLrp4抗体陽性MG患者は見つかっていないが,予定どおりに実験計画を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね順調に進んでおり、次年度については、検体数を増やして、Lrp4抗体陽性MG症例を蓄積する。そして、神経筋接合部生検の症例数(現在の症例数は2例、目標3例以上)を増やす予定である。

今後の研究の推進方策

特に問題点はなく,当初の方針通りに進めていく。

次年度の研究費の使用計画

昨年度の直接経費残金については、今年度、研究遂行上必要となる消耗品費用に充当する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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