研究課題
本年度の実績筋萎縮性側策硬化症の神経変性分子機構を解明: 近年新たなALS原因遺伝子optineurin (OPNL)、ubiquilin (UBQLN)2、C9orf72非翻訳領域6塩基反復配列の異常伸長が次々と同定されたが、その分子メカニズムは不明である. OPNLとUBQLN2はいずれも蛋白分解機構に関与することが知られており、我々の本年度研究成果では、両分子がRab11陽性endosomal vesicleに共局在し、OPNLとUBQLN2のALS関連変異は、いずれもこのvesicleに障害を引き起こすことを観察している. さらに、このvesicleは、ubiquitin、p62、ULK1陽性でありendosomal trafficとautophagy をつなぐ蛋白品質管理に関連した新規の細胞内メカニズムである可能性が示唆された. 一方、もうひとつの原因遺伝子C9orf72非翻訳領域6塩基反復配列から翻訳されるDRPが細胞内異常封入体を形成し、やはり蛋白品質管理機構に影響を及ぼす可能性を見出している. 今後はRNA品質管理機構の障害とのクロストークを検討したい。ALSモデルマウスの樹立と新規の治療戦略の確立: 変異型FUS Tgマウス(△C-FUS)一ラインの樹立を達成した。20週齢の時点では体重減少、振戦、歩行障害、abnormal limb reflexなど明らかな運動障害が出現し、今後病理学的解析を進めたい。
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