研究課題
筋萎縮性側索硬化症や球脊髄性筋萎縮症などの運動ニューロン疾患における運動神経軸索興奮特性の変化などについて、患者における研究なども継続的に行い報告し、またその成果の一部を論文の形で公表した。筋萎縮性側索硬化症の疾患動物モデルにおけるイオンチャネル発現変化と興奮特性の変化、およびその臨床症状との関連については、現在論文投稿の準備中である。臨床的には、筋萎縮性側索硬化症における軸索神経軸索興奮特性の変化の疾患予後に対する影響について解析を行い、特に持続性ナトリウム電流が筋萎縮性側索硬化症の強力な予後因子であることを明らかにした。その成果を第53回日本神経学会総会において発表し、論文の形でJournal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌において公表した。また筋萎縮性側索硬化症における軸索神経軸索興奮特性の変化が症状進展に与える影響について解析を行い、その成果について投稿を準備している。球脊髄性筋萎縮症に関しては、酢酸リュープロレリンによる治療介入の効果の研究に従事し、その臨床効果および軸索興奮特性に与える影響について論文の形による公表を準備中である。また広く神経変性疾患におけるイオンチャネル異常などについても研究を行い、論文報告を行った他、第53回日本神経学会学術大会のシンポジウムにおける招待講演などにおいて発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
疾患動物モデルを用いた研究については一部遅れがあるものの、臨床研究において持続性ナトリウム電流亢進が筋萎縮性側索硬化症の予後に対して強いリスク因子であることを明らかにし、また軸索神経軸索興奮特性の変化が症状進展に与える影響について新しい知見が得られるなど、研究全体としてみた場合には大きな進展が得られており、全体としては順調に進んでいる。
筋萎縮性側索硬化症における持続性ナトリウムチャネル障害について、臨床面及び動物モデルにおいて研究を継続する。
電極などの消耗品や動物実験に必要な経費に使用する。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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