研究課題
目的:てんかん発作時のDC電位、HFOに焦点を絞ってその発現様式の特徴を抽出し、病理学的な所見と統合的に解析しててんかん原性におけるグリアと神経細胞の密接な関連を明らかにすることを目的とした。方法:難治部分てんかん患者のうち、てんかん手術のために脳内電極を留置した患者。1)広域周波数脳波解析=脳表面にてんかん焦点検索を目的として留置した硬膜下電極から、標本化周波数1000-2000 Hz、高周波フィルター300-500 Hz、時定数10秒で皮質脳波を計測した。てんかん焦点における通常の発作時の脳波所見、DC電位、HFOの解析を行い、出現様式の特徴を明らかにした。2)病理標本との対比解析=切除された病理所見と焦点におけるDC電位、HFOの出現様式との関連を検討した。成果:1)DC電位、HFOの発現様式=発作時DC電位、HFOを16例中それぞれ12例(75%)、8例(50%)で認めた。DC電位を認めた12例では、解析された全てのてんかん発作108回のうち、72%にDC電位を認め、HFOは同様に46.3%であった。発作時DC電位、HFO、通常の発作時脳波所見の3者を全て認めた6例では、DC電位、HFOが通常の発作時脳波開始点に対して、それぞれ6.2±11.0秒、3.5±9.1秒で先行した。通常の発作時脳波所見およびDC電位、HFOのいずれかを認めた12例のうち発作時DC電位は8例(66.7%)で、HFOは3例(25.0%)で通常脳波より限局した範囲に認められた。1例で焦点近傍の白質内の深部電極から発作時DC電位が記録されたが、HFOは認めなかった。2)病理所見との関連=発作時DC電位は病理所見毎に①神経膠腫75.0%、②皮質異形成77.8%、③海馬硬化50.0%で認めた。一方HFOは同様に①50.0%、②44.4%、③50.0%で認めた。特に①のうち皮質異形成を伴う2症例で発作時DC電位、HFOを90-100%で認めた。総括:発作時DC電位がHFOに先行して出現することから、グリアの積極的な関与が示唆された。さらに病理組織別にDC電位、HFO発現が異なることを示した。
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