研究課題/領域番号 |
23591282
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
頼高 朝子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90245720)
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研究分担者 |
服部 信孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (80218510)
山本 順寛 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (60134475)
佐藤 栄人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00445537)
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キーワード | パーキンソン病 / 還元型コエンザイムQ10 / ミトコンドリア / サプリメント |
研究概要 |
パーキンソン病はL-dopaを中心とする薬物治療の進歩により生命予後は改善した.しかし長期治療に伴いL-dopaの有効時間の短縮や運動症状の変動、ジスキネジアや精神障害の出現などquality of life (QOL)を低下させる合併症の出現が問題となっている.コエンザイムQ10(CoQ10)は、細胞内ミトコンドリア賦活によりATP産生作用と還元型CoQ10による抗酸化作用が知られ、食品として広く販売されており既に高齢健常人での活動度を上昇させるサプリメントの一つである.特に還元型CoQ10は高齢者及び疾患では体内比率が低下し細胞内のミトコンドリアの異常による病気に効果が期待される.パーキンソン病はミトコンドリア異常が有る可能性の病気であり、パーキンソン病の疾患モデルであるMPTPマウスでCoQ10投与により神経保護作用を認めた報告があり、パーキンソン病患者で進行抑制が認められるか検討した.検討は還元型CoQ10内服に関し、並行群間比較、無作為割り付け、二重盲検、実食品・偽食品治療対照で行った.レボドパを内服していない初期群と症状変動が生じている(ウエアリングオフ)進行群とに分けて行った.臨床判定は頼高朝子が行い、生化学的検討は山本、佐藤が行った.進行群は1年間の観察のため2013年5月に終了予定であり、初期群も2013年度末前後頃に終了予定である.その後二重盲検を開示し統計学的検討を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初期群は33例、うち10例脱落し、16例が試験期間を終了している.7例が継続中である.進行群は31例を登録し、6例脱落し、1例のみが試験期間を終了していない.現在まで副作用は生じていない.各群とも40例を目標にしていたが、予定期間中に登録を達することはできなかった.
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今後の研究の推進方策 |
初期例はあと1年臨床経過を評価する必要があり、終了後2014年度に盲検をキーオープンし、統計処理をする。還元型CoQ10のパーキンソン病に対する進行抑制効果の有無と安全性について考察し、2015年度国内外学会に公表する.
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次年度の研究費の使用計画 |
評価のデータベースの記憶媒体、血中還元型コエンザイムQ10の測定、統計のコンサルテーション、パーキンソン病の最新の情報収集のための当該学会への参加をする予定である.
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