研究課題/領域番号 |
23591283
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
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研究分担者 |
小早川 睦貴 東京情報大学, 総合情報学部, 助教 (80445600)
金野 竜太 昭和大学, 医学部, 助教 (70439397)
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キーワード | Parkinson病 / 認知機能 / 運動症状 / 視空間認知機能 / 遂行機能 / 姿勢保持障害 |
研究概要 |
平成25年度はParkinson病における運動症状と認知機能障害の関連について検討した。近年、Parkinson病(PD)は運動症状のみならず大脳辺縁系の障害を含め様々なドメインの認知機能障害も伴う疾患である。しかし、これまでに頻用されてきた認知機能検査法であるMini Mental State Examination(MMSE)ではPDの認知機能障害をとらえにくい。そのため、我々は、まずMMSEに代わる検査法としてThe Montreal Cognitive Assessment(MoCA)とThe Neurobehavioral Cognitive Status Examination (COGNISTAT)の有用性を示した。さらに、認知機能障害と運動症状との関連について、MoCAにおける各ドメインの認知機能のスコアとUnified Parkinson's Disease Rating Scale (UPDRS)における各運動症状(振戦、筋強剛、無動、姿勢保持障害)のスコアとのSpearmanの順位相関係数を算出して検討した。その結果、姿勢保持障害と視空間認知機能・遂行機能の障害が有意な相関を示した。PDの姿勢保持反射は従来は運動症状と考えられてきたが、視空間認知機能や遂行機能との関連が強く認知機能の要素を含む症状であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各種の神経心理学的検査を実施できた十分な症例数が予定よりも少なく、データの集積が遅れていることが否めないため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにも研究方法を確立し、それを用いた検討によりある程度のデータが取得されており、また結果を公表できていると考えられる。今後もこの方向を維持し、継続してデータの収集と成果の公表を続けていくことが重要と考えられる。今後は、症例数の蓄積によるさらに頑健な結果の提示、症例数が不足している検討についての症例の確保、データ取得が完了した内容についての論文投稿、が必要と考えられる。さらに、最終年度に向けて既に集められた知見、今後取得できるであろう知見を統合的に理解できるよう、総合的なモデルを提示できるよう議論を進めていく必要があると考えられる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度には各種の神経心理学的検査を実施できた症例数が予定を下回り、データの集積が遅れたため。 被験者のデータの解析と国際学会での発表、論文投稿を次年度におこなうこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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