研究課題/領域番号 |
23591289
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
有廣 昇司 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (10599723)
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研究分担者 |
豊田 一則 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 部門長 (50275450)
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キーワード | 脳血管障害 / 糖尿病 |
研究概要 |
既存のデータベース(2006年~2010年)を活用し中間解析を行った後向き研究[①発症7日以内の脳梗塞症例の入院時血糖値、血糖管理状況と、臨床背景因子や脳梗塞の性状、転帰との関連,②脳卒中集中治療ユニット(SCU)入院例を対象とした脳梗塞発症早期の血糖管理状況と予後との関連(急性期増悪や再発,退院時や3ヶ月後の転帰)]については,新規の糖尿病治療薬(インクレチン関連薬;DPP-4阻害薬,GLP-1アナログ)相次いで臨床応用となったこともあり,2011年以降の症例についても新規データベースとして統合作業を行い,検討をすすめている. 関連研究として,急性期虚血性脳卒中患者における,CT検査の冠動脈カルシウムスコア(Coronary Artery Calcification Scoring;CACS)と脳・心血管イベントについての検討を国内学会(第54回日本神経学会学術大会,東京,2013年5月)で発表した.冠動脈高度石灰化群(CACS≧100)には糖尿病(DM)が関連因子(オッズ比6.69,p<0.05)となり,脳梗塞発症後1年以内に出現した虚血性心疾患イベントの予測因子としての可能性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
過年度までに中間解析を行った研究データベースと2011年以降の症例登録データベースとの統合作業を行っており,最終解析まで完遂できていない.持続血糖測定システムを用いた脳梗塞急性期の血糖評価・管理に関する研究計画の立案,開始準備に時間を要した.
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今後の研究の推進方策 |
最新型の持続血糖測定システム(2013年5月認可)は,血糖値のみならずその変動性が6日間にわたり評価可能であり,脳梗塞急性期症例を対象として新たな視点から血糖管理と脳梗塞の転帰との関連を検討する.倫理委員会への申請を含めた研究準備を行いその成果をまとめたい.過年度までに国内・国外学会で報告した内容について最終解析を行い,研究成果を総括する.
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次年度の研究費の使用計画 |
持続血糖測定システムを購入し,事業延長申請が承認されたことを受け,同機器を用いた臨床研究にともなう諸経費,成果発表にかかる旅費,印刷費にかなりの額が必要と見込まれたため,本年度の使用を押さえ次年度に繰り越した. 研究成果を国内外に発信するための会議や学会への参加に必要な諸費,論文作成に関連する雑費に使用する.最新型持続血糖測定システムを用いた血糖変動に関する臨床研究では,症例毎の挿入針を含む材料費(センサ)が必要となる.前向き研究として進捗した場合のデータベース作成費,作業・入力協力者への謝金として使用する.
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