研究課題/領域番号 |
23591290
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
齊藤 利雄 (斉藤 利雄) 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (60538776)
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研究分担者 |
大平 充宣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50185378)
藤村 晴俊 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (20263246)
松村 剛 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (30549366)
佐古田 三郎 独立行政法人国立病院機構刀根山病院(臨床研究部), その他部局等, その他 (00178625)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | Duchenne型筋ジストロフィー / CD34 / NIRS / シルデナフィル |
研究概要 |
Duchenne 型筋ジストロフィー(DMD)の病状進行には,血管機能異常による微小循環障害,低酸素・虚血状態が大きく影響する.血管機能維持に重要な役割を持つ末梢血循環CD34陽性細胞は,DMDの病態にも深く関わり循環障害治療評価の機能障害マーカーの候補となると考え,これまでに,2.1 ~47.7歳のDMDのべ47例,疾患対照として18.4~67.7歳の筋強直性ジストロフィー (DM) のべ18例,8.1~58.3 歳の脊髄性筋萎縮症 (SMA) のべ18例,32.2~78.0歳の筋萎縮性側索硬化症 (ALS) のべ21例などを中心に,健常対象群と併せ,130例以上のCD34陽性細胞のデータを収集した.結果は,DMDのCD34陽性細胞数は1.79 ± 1.02 counts/μl (0.29~4.47), DMは 0.82 ± 0.27 counts/μl (0.18~1.48) ,SMAは1.50 ± 1.31 counts/μl (0.26~5.53) ,ALSは1.21 ± 1.00 counts/μl (0.28~4.47),健常対象群1.53 ± 0.96 counts/μl (0.62~3.61) と,DMDのCD34陽性細胞数は低年齢で高値傾向を示し,CD34陽性細胞のDMD病態への関与が裏付けられた.また,上記疾患のCD146 陽性細胞数を60例以上で,VEGFやPECAM-1などの血管障害マーカーを30例で測定した.いくつかのマーカーは変動し病状に関わる可能性があると考えている.これらの血管障害マーカーは,現在研究計画進行中の,DMD患児に対するシルデナフィル短期投与の評価マーカーとして重要かつ有用である可能性があると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CD34,CD133, CD146陽性細胞などのマーカー測定件数は,当初の予定件数を超え,現在データ解析中であり,血管系マーカーangiogeninやMMP9の測定は,現在進行中である.NIRSによる筋血流評価は,測定系に不安定性さがあり,信頼できるデータ収集方法を現在検討中である.また,DMD患児を対象としたシルナデフィル短期投与の安全性・有効性評価は,現在施設内にワーキンググループを立ち上げ,その施行に向けて計画が進行中であり,年度内早期の開始を予定している.以上は,当初の研究計画から逸脱していないが,共同研究の大平研でのモデルマウス実験が施行できていない.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,DMD患児を対象としたシルナデフィル短期投与の安全性・有効性評価を,年度内早期に開始する.また,さらに他に有用な治療評価マーカーの探索を継続する.一方,共同研究の大平研でのモデルマウス実験を予定していたが,現在のところ施行の予定が立てられないままである.新たな分担研究者,研究協力者を招聘し,一部研究計画の見直しを予定している.
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次年度の研究費の使用計画 |
DMD患児を対象としたシルナデフィル短期投与の安全性・有効性評価を行う,さらに他に有用な治療評価マーカーの探索を継続する.これらの薬剤購入,検査費用などに研究費を充当する予定である.
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