研究課題/領域番号 |
23591297
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
竹本 稔 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60447307)
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研究分担者 |
横手 幸太郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20312944)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | Semaphorin3g / 心腎連関 / α細胞 |
研究概要 |
平成23年度の研究計画では大きく分けて以下の3つの事項に関して検討した。(1)Sema3gの糖代謝に対する影響に関する検討 (2) Sema3gの血管機能に関する検討 特に動脈硬化との関連に関する検討。(3) Sema3gの腎機能に関する検討 特にタンパク尿の発現機序に関する検討。(1)の糖代謝に関しては、Sema3gはグルカゴン陽性細胞(α細胞)において発現していることが明らかとなった。Sema3gノックアウトマウス(Sema3gKO)の解析ではKOマウスの膵ラ氏島ではα細胞数の増加や細胞配列の異常(膵ラ氏島内への迷入)があること、高脂肪食負荷をかけることにより野生型に比し有意に空腹時血糖が上昇し、血中グルカゴン、インスリン濃度が増加すること、肝臓において糖新生関連遺伝子の発現が増加していること、さらに肝臓において脂肪蓄積が野生型に比し増加していることが明らかとなった。現在、グルカゴノーマ由来細胞を用いて、細胞の増殖、遊走、グルカゴン分泌にSema3gがどのように関与しているかを検討している。(2) 血管機能に関しては、少なくとも定常状態ではSema3gKOマウスは野生型に比し、テールカフ法で測定した血圧に変化を認めなかった。動脈硬化との関連に関しては現在、Sema3gKOと動脈硬化モデルマウスであるApoEノックアウトマウスとの交配を行っている。(3) Sema3gの腎機能に関する検討では、Sema3gKOの腎組織を電子顕微鏡下に観察した所、糸球体血管内皮細胞の有窓化数の減弱、基底膜の肥厚、ポドサイトの足突起の扁平化や癒合等の表現型が観察された。定常状態においてはアルブミン尿の排泄に差を認めなかったため、様々な負荷をかけている。さらにSema3gKOマウス、野生型マウスから糸球体を単離し、Affymetrix社のGeneChipを用いて遺伝子プロファイリングも試行しており、現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画に則って行っているが、一部 マウスの繁殖の遅れなどに伴って実験が遅れている項目がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度も計画通り、(1) Sema3gの糖代謝に対する影響をSema3gをアデノウイルスを用いて肝臓に過剰発現させた時の空腹時血糖に対する影響や糖負荷に対する反応を検討する。(2)Sema3gの臨床応用ヒトSema3gに対する3種類のペプチド抗体を用いて、ELISAの系を立ち上げて、糖尿病、脂質異常症、高血圧患者の血液中、尿中Sema3g濃度と各種臨床パラメーターとの関連を検討する。(3) Sema3gの血管機能に関する検討 特に動脈硬化との関連
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次年度の研究費の使用計画 |
特にELISAの立ち上げ等に使用予定である。
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