• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

生体分子イメージングによるメタボリックシンドロームの病態解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591298
研究機関東京大学

研究代表者

山下 尋史  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50323572)

キーワード慢性炎症 / 肥満 / 脂肪組織 / 分子イメージング
研究概要

我々は、心血管疾患の重大なリスク要因となる高脂肪食に伴うメタボリックシンドロームの病態解明を目指して、生体分子イメージング手法を確立し、食事由来脂質の全身性の影響、肥満に伴う腸内細菌叢の変化、脂肪組織の機能異常と局所免疫の賦活化を明らかにしてきた。たとえば、肥満した脂肪組織や腸管では、M1マクロファージ、CD8陽性T細胞といった炎症性細胞が賦活化されて、脂肪組織炎症と糖尿病病態を起こしている。
我々は、生体分子イメージング手法を脂肪組織に応用し、初期の炎症過程を明瞭に可視化し、肥満脂肪組織が炎症の場であることを直接証明しており、その過程では、脂肪組織にCD8陽性T細胞が浸潤していることを可視化・証明した。本研究ではさらにそれだけでなく、脂肪組織には多くの制御性B細胞が多量に存在していることが明らかになった。このB細胞(脂肪Breg)は通常のB1、B2細胞とは表面マーカーの発現が異なり、新たなサブセットの細胞であることが示された。サイトカイン産生能の検討では、脂肪BregはIL-10を無刺激でも高発現していた。これは、今まで報告されている制御性B細胞とは異なっている点であり、脂肪Bregの特異な形質を示している。B細胞特異的IL-10欠損マウスを作成したところ、脂肪組織の炎症が惹起されインスリン抵抗性が増悪していた。つまり、脂肪Bregは脂肪組織の炎症を負に制御していることが示された。
脂肪Bregは皮下脂肪に特に多く存在しており、皮下脂肪の間質の30%を占めている。そして、このB細胞は肥満個体では質的・量的、ともに減少していた。肥満個体における脂肪組織炎症およびインスリン抵抗性の一部は、脂肪Bregの減少によって説明されると考えられた。
以上の結果は2013年Cell Metabolismに掲載された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Adipose natural regulatory B cells negatively control adipose tissue inflammation2013

    • 著者名/発表者名
      Nishimura S, Manabe I, Takaki S, Nagaskai M, Ostu M, Yamashita H, Sugita J, Yoshimura K, Eto K, Komuro I, Kadowaki T, Nagai R
    • 雑誌名

      Cell Metabolism

      巻: 18 ページ: 759-766

    • DOI

      org/10.1016/j.cmet.2013.09.017

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi