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2012 年度 実施状況報告書

原因遺伝子の発生工学的解析によるメタボリックシンドロームの病態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591300
研究機関東京大学

研究代表者

飯塚 陽子  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40420244)

研究分担者 矢作 直也  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60420246)
キーワードメタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / 原因候補遺伝子 / 高血圧 / 交感神経活動亢進 / 高血圧自然発症ラットSHR / ノックアウトマウス / 肥満
研究概要

【目的】メタボリックシンドロームのモデル動物であるSHRにおける原因候補遺伝子KAT-1(kynurenine aminotransferase-1)のノックアウトマウスを作製し、KAT-1の生理機能とメタボリックシンドロームの成因を探る。 【方法】発生工学的手法を用い、遺伝子相同組み換えにより開始コドンを含むエクソン1-2の領域を欠失するデザインに基づきKAT-1を完全欠損するノックアウトマウスを作製し、血圧、糖脂質代謝、肥満等の各種表現型の解析を行った。また、12週間高塩食、高脂肪食負荷下における解析も行った。 【成績】1) 欠損ホモマウスの各組織において、KAT-1の発現がmRNAおよび蛋白レベルで欠損していることを確認した。欠損ホモマウスは正常に出産・発育し、SHRと同様に、2) 普通食下において、tail-cuff法およびtelemetryシステム法により有意な血圧と脈拍の上昇を示し、12週間高塩食下および高脂肪食下において、血圧の更なる上昇を示し、この傾向はマウスの交感神経活動が高まる夜間により顕著に認めた。さらに、3) 高塩食下における24時間蓄尿中のカテコラミン分泌の亢進を呈し、4) 普通食下において、空腹時血糖値の有意な上昇とインスリン負荷試験によるインスリン抵抗性の亢進を示し、高脂肪食下における空腹時血糖値の更なる上昇を示した。そして、5) 活動度の増加に伴い、高脂肪食下における体重・脂肪組織重量の増加率の減少を示した。一方、6) SHRには認められない多飲・低張性多尿などの尿崩症症状を呈した。【結論】SHRにみられる多様な病態の背景にKAT-1の異常が深く関わる可能性が再確認された。また、それらの異常がラットとマウスの種差を越えてKAT-1の異常によって引き起こされていることが強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物の確保が予定より遅れているためである。

今後の研究の推進方策

1)KAT-1ノックアウトマウスにおけるKAT-1アデノウイルスの投与実験(飯塚)KAT-1ノックアウトマウスにKAT-1アデノウイルスを経血管的、およびRVLMへ選択的に投与することにより、KAT-1ノックアウトマウスの表現型がどこまでレスキューされるかを確認する予定である。
2)KAT-1ノックアウトマウスの各食餌負荷による影響(飯塚)KAT-1ノックアウトマウスにそれぞれ高塩食負荷、高ショ糖食負荷、高脂肪負荷を行い、各食餌負荷による影響について検討する。表現型の解析と同様の実験を行い、評価する予定である。
3)KAT-1ノックアウトマウスと肥満モデルとの交配(飯塚、矢作)KAT-1ノックアウトマウスと肥満モデル動物であるob/obマウスやdb/dbマウスと交配することにより、KAT-1の肥満やインスリン抵抗性への関与を検討する予定である。表現型の解析と同様の実験を行い、評価する予定である。
4)KAT-1ノックアウトマウスの動脈硬化モデルとの交配(飯塚)KAT-1ノックアウトマウスと脂質異常症、動脈硬化モデル動物であるLDL受容体ノックアウトマウス、あるいはアポEノックアウトマウスを交配することにより、KAT-1の動脈硬化への関与について検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

実験用動物60万円、培養器具20万円、チューブ類20万円、試薬30万円、アイソトープ10万円

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公開日: 2014-07-24  

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