研究課題/領域番号 |
23591303
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
中村 二郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40283444)
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研究分担者 |
磯部 健一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20151441)
神谷 英紀 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70542679)
成瀬 桂子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (30387576)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 糖尿病性神経障害 / iPS細胞 / 再生医療 / 細胞移植 |
研究概要 |
糖尿病性神経障害に対する細胞移植療法の臨床応用に向けて、移植細胞としてより適切な細胞として神経再生に重要な役割を担うSchwann細胞に分化する可能性を有する神経堤細胞 (Neural crest cell; 以下NCC)に着目し、以下の実験を行った。1)eGFP発現の高齢mouseからiPS細胞を作出し、その多能性を確認する。2)既報のmouse embryonic stem cellにおけるNCCの分化誘導法がmouse iPS細胞において再現可能であることを確認する。3)Mouse iPS細胞より分化誘導したNCCのin vitroでのSchwann細胞への分化能を確認する。4)NCC由来Schawann 細胞の血管新生因子及び神経栄養因子の産生能を確認する。 NCCと想定される抗p75抗体陽性細胞(p75+)は、各種の神経堤細胞マーカー(Snail、Sox10、PAX3)を発現するとともに、neurotrophic factors(NGF、NT3、GDNF、BDNF)、angiogenic factors(VEGF、basicFGF)を発現しており、分化誘導前のiPS細胞と比べそれらのmRNA発現量が著明に増加していた。in vitroにおいて、p75+のneuron、glia cell及び平滑筋細胞への分化が認められた。 この結果、iPS細胞から容易に作成され、なおかつ移植細胞としてより適切な細胞であると想定されるNCCが、糖尿病性神経障害に対する再生治療を進める上で重要な役割を担うことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定された以下の項目に関する検討が終了した。1.eGFP発現の高齢mouseからiPSCを作出し、その多能性を確認する。2.既報のmouse embryonic stem cell(以下mESC)におけるNCCの分化誘導法がmouse iPSCにおいて再現可能であることを確認する。3.Mouse iPSCより分化誘導したNCCのin vitroでのSchwann細胞への分化能を確認する。4.NCC由来Schawann cellの血管新生因子及び神経栄養因子の産生能を確認する。
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今後の研究の推進方策 |
Streptozotocin(以下STZ)誘発糖尿病mouseを用いて、糖尿病性神経障害発症後にNCCを下肢筋肉内へ移植し、神経障害に対する治療効果を生理学的および組織学的に検討する。さらには、移植後のNCCの分布及び分化を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物の購入費用および細胞の培養液および分化誘導薬剤の購入費用。NCCの分布及び分化を評価するための各種抗体の購入費用。学会での成果発表のための旅費。
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