研究課題
糖尿病性神経障害に対する細胞移植療法の臨床応用に向けて、移植細胞としてより適切な細胞として神経再生に重要な役割を担うSchwann細胞に分化する可能性を有する神経堤細胞 (Neural crest cell; 以下NCC)に着目し、実験を行った。NCCと想定される抗p75抗体陽性細胞(p75+)は、各種の神経堤細胞マーカー(Snail、Sox10、PAX3)を発現するとともに、neurotrophic factors(NGF、NT3、GDNF、BDNF)、angiogenic factors(VEGF、basicFGF)を発現しており、分化誘導前のiPS細胞と比べそれらのmRNA発現量が著明に増加していた。In vitroにおいて、p75+のneuron、glia cell及び平滑筋細胞への分化が認められた。。初代培養DRG neuronの神経突起の伸展がNCC維持培地添加により有意に促進された。STZ処置16週後、正常(N)及び糖尿病マウス(DM)の片側大腿筋及びヒラメ筋に1肢当りNCC 1×105個を筋注し、反対側には生食を投与した。NCC移植により、DMで低下した下肢知覚機能や下肢MNCV、SNCV(N; 42.5 ± 4.1 m/s, DM; 31.7 ± 3.3, DM+NCC; 37.6 ± 1.5)及び足底血流(N; 24.4± 1.7m/s, DM; 17.2 ± 1.4, DM+NCC; 20.1 ± 2.6)が改善するとともに、DMで低下した表皮内神経線維密度(N; 55 ± 8.9 number/mm, DM; 27.5 ± 5.0, DM+NCC; 40.5 ± 5.1)や毛細血管数が有意に増加した。以上より、iPS細胞由来NCC移植療法は、DPNに有用である可能性が示唆された。
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doi: 10.1155/2013/259187. Epub 2013 Nov 11, 2013.