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2013 年度 実績報告書

末梢組織における新たなインスリン作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23591313
研究機関熊本大学

研究代表者

吉澤 達也  熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (40313530)

キーワードインスリン / 腸管
研究概要

<目的> 腸管は、糖・エネルギー代謝に重要な組織であるが、腸管組織へのインスリン作用については十分に明らかではない。そこで、申請者らは、腸管特異的インスリン受容体ノックアウトマウスを作製し、糖・エネルギー代謝への影響を解析することとした。
<研究実績> 申請者らは、インスリン受容体ゲノムにloxP配列が導入された(IR floxed)マウスと腸管上皮細胞特異的にCre酵素を発現する(Villin-Cre)マウスを交配し、腸管特異的インスリン受容体ノックアウト(IR gutKO)マウスを作製した。そして以下の解析を行った。
① 糖・エネルギー代謝への影響:インクレチンは、膵臓に働き糖代謝を調節している。生体に通常備わるフィードバックループの概念から、インスリンがインクレチンを調節する可能性は十分に考えられる。また、インクレチン非依存的な未知の経路を制御することで、糖・エネルギー代謝を調節することも考えられる。そこで、まずIR gutKOマウスを用いて経口糖負荷試験を行ったところ、耐糖能異常が現れた。このノックアウトマウスを用いて、インスリン感受性試験・ピルビン酸負荷試験・インスリン分泌能試験等の代謝実験を行った。その結果、腸管へのインスリン作用は糖代謝に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
② 免疫系への影響:近年、肥満により腸内フローラが変化すること、また腸内フローラの変化が生活習慣病を引き起こすことが明らかとなってきている。申請者が現在までに行ったDNAマイクロアレイ解析の結果では、IR gutKOマウスの十二指腸において免疫反応に関わる遺伝子群が数多く変化していたことから、腸管のインスリンシグナルが免疫系へ働きかけ、腸内フローラを変化させ、糖・エネルギー代謝を制御している可能性が考えられた。この仮説を検証するため、今後も詳細な解析を行う予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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