研究課題/領域番号 |
23591320
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
出崎 克也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90337329)
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研究分担者 |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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キーワード | 糖代謝 / インスリン分泌 / グレリン |
研究概要 |
グレリンは、オーファン受容体である成長ホルモン放出促進因子受容体(GHS-R)の内因性リガンドとして胃から精製された新規ペプチドであり、成長ホルモン放出、摂食促進、脂肪蓄積作用を示すことが報告されている。申請者は、これまでにグレリンによる生理的インスリン分泌抑制機構および糖代謝調節機構を明らかにしてきた。本研究では、膵島内因性グレリンによるインスリン分泌抑制機構とその病態生理的意義の解明を目的とし、Cre/LoxPシステムを用いて作出した膵島特異的グレリン遺伝子欠損マウスの糖代謝機能解析および膵島グレリン発現・分泌制御とその糖尿病態の解析を行う。 1. グルカゴンプロモーター制御Creマウス(Glucagon-Creマウス)を作成し、グレリン遺伝子をloxPで挟んだGhrelin-floxマウスとの交配により膵α細胞特異的グレリンKOマウス(αGhr-KOマウス)を得た。 2. 消化管ホルモンのGlucagon-like peptide-1 (GLP-1)は、ラット分離膵島におけるグルコース誘発cAMP産生および膵島インスリン分泌を促進し、グレリン投与はこれらGLP-1作用を抑制した。 3. グレリンは、8.3mMグルコース存在下でのGLP-1刺激およびアデニル酸シクラーゼ活性化薬forskolin刺激によるβ細胞内[Ca2+]i増加作用を濃度依存的に抑制した。一方、グレリン受容体拮抗薬により膵島内因性グレリンの作用を阻害すると、GLP-1刺激による膵島cAMP産生および膵島インスリン分泌作用が増強した。 グレリンは、グルコース刺激のみならずGLP-1によるインスリン分泌促進作用に対しても抑制作用を示し、その機序の一つとしてβ細胞内cAMP産生の抑制が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グルカゴンプロモーター制御Creマウスを作成し、グレリン遺伝子をloxPで挟んだGhrelin-floxマウスとの交配により膵α細胞特異的グレリンKOマウスを得た。 グレリンは、グルコース刺激のみならずGLP-1によるインスリン分泌促進作用に対しても抑制作用を示すことを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
作出に成功した膵α細胞特異的グレリンKOマウスと、既に作成済みの膵β細胞特異的グレリンKOマウスのインスリン分泌、糖代謝をin vivo、in vitro実験により解析し膵由来グレリンの生理的役割を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
・糖代謝関連ホルモンの測定キット ・実験動物(マウス、ラット) ・試薬類
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