研究課題/領域番号 |
23591328
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
川畑 由美子 近畿大学, 医学部, 准教授 (80423185)
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研究分担者 |
池上 博司 近畿大学, 医学部, 教授 (20221062)
能宗 伸輔 近畿大学, 医学部, 講師 (90460849)
馬場谷 成 近畿大学, 医学部, 講師 (10449837)
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キーワード | 1型糖尿病 |
研究概要 |
①日本人における1型糖尿病のHLAクラスII疾患感受性ハプロタイプは、DRB1*04:05-DQB1*04:01(DR4ハプロタイプ), DRB1*08:02-DQB1*03:02(DR8ハプロタイプ), DRB1*09:01-DQB1*03:03(DR9ハプロタイプ)である。これらの疾患感受性ハプロタイプの作用様式の相違を明らかにするために,1型糖尿病の3つのサブタイプ(急性発症典型,劇症型,緩徐進行型)において,それぞれのハプロタイプと疾患感受性との関連を解析した。急性発症典型ではいずれハプロタイプも疾患感受性との関連を認めた。劇症型はDR4ハプロタイプが強い感受性を認めたが,DR8ハプロタイプは関連を認めなかった。緩徐進行型は急性発症と同様の傾向を示した。病型別に発症年齢との関連を解析した結果、DR8ハプロタイプが急性発症典型の若年発症で有意に高頻度であった。さらにクラスI領域と発症年齢との関連を明らかにするための解析を進めている。 ②1型糖尿病の約10%に他の自己免疫性疾患が合併し、自己免疫性甲状腺疾患(AITD)の合併頻度が高い。AITDとHLAとの関連を1型糖尿病のそれと比較し、自己免疫性疾患の臓器特異性とHLA領域との関連についての解析を進めている。 ③4姉妹中3姉妹が1型糖尿病を発症し、残る1人も膵島関連自己抗体が陽性という1型糖尿病濃厚発症家系(4姉妹と母はいずれもDR4ハプロタイプ/DR8ハプロタイプを有している)において、本家系の濃厚発症に関与するrare variantを解析・同定することを目的に、HLA領域以外の既知の候補遺伝子(INS, CTLA4, IL2RA, PTPN22, IFIH1)のSNPタイピングを行なった。さらにこの家系のPTPN22のシークエンスを行ない、この家系における濃厚発症へのPTPN22の関与について詳細な解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HLA領域のClassIIのDRB1, DQB1に関連する解析は順調に進展している。 HLA領域のClassIのA,B,Cに関連する解析は順調に進展している。 また1型糖尿病濃厚発症家系におけるHLA領域以外の解析は順調に進展している。 しかし、HLA領域の網羅的タイピングの進展がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
HLA領域の網羅的SNP解析を遂行する。 HLA ClassIの関連についての解析を進める。 1型糖尿病との合併頻度の高い自己免疫性甲状腺疾患についてのHLA領域の解析を行い、1型糖尿病との比較検討を行うことにより、臓器特異性免疫とHLA領域の関連を明らかにするための解析をすすめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額:6,655円(試薬購入に関して余剰金が発生した) 平成24年度研究費:600,000円 使用計画 456,655円:分子遺伝学的実験試薬およびキットの購入 150,000円:旅費
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