研究課題
研究課題は、①ヒトにおける血中分泌型VLDL受容体濃度の臨床的意義の解明と②VLDL受容体(全長型および分泌型)の生理機能の解明である。①ヒトにおける血中分泌型VLDL受容体濃度の臨床的意義の解明2011年12月に福井大学医学部倫理審査委員会からの「ヒト血中分泌型VLDL 受容体測定の臨床的意義の検討」の研究課題に対して承認をいただいた。糖尿病症例を中心に入院および外来症例を対象とした。現在までに、126名の症例からの承諾書がえられ、その血清サンプルを回収できた。また、一般採血データーと糖尿病合併症に関するデーターも集積されている。②VLDL受容体(全長型および分泌型)の生理機能の解明1.マクロファージ細胞においてその分化過程で、2型VLDL受容体から1型VLDL受容体への変換が起きていることをWestern法およびPCR法にて証明した。Northern法ではVLDL受容体mRNAの変化は分化過程で見いだせないが、同量のmRNA状態で2型VLDL受容体から1型VLDL受容体mRNA量の変化が、2型VLDL受容体から1型VLDL受容体蛋白量の変化を引き起こしていた。2.マウス心筋では成長過程と共に、1型と2型VLDL受容体mRNAの存在が1型VLDL受容体mRNA優位な発現変化に移行することが判明した。3.VLDL受容体KOマウスの肝臓への1型と2型VLDL受容体cDNA遺伝子導入で2型VLDL受容体導入マウスの血中でVLDL受容体蛋白の存在が確認された。以上のことより、VLDL受容体遺伝子は選択的スプライシング機構により分化や成長過程で1型と2型VLDL受容体蛋白の優位性を左右していることが判明した。
3: やや遅れている
昨年の報告にも記載したが、2011年12月にようやく福井大学医学部倫理審査委員会からの「ヒト血中分泌型VLDL 受容体測定の臨床的意義の検討」の研究課題に対して承認をいただいたため、①ヒトにおける血中分泌型VLDL受容体濃度の臨床的意義の解明はサンプルの収集が予定数より遅れている。
①ヒトにおける血中分泌型VLDL受容体濃度の臨床的意義の解明現在までに、126名の症例からの承諾書がえられ、その血清サンプルを回収できた。また、一般採血データーと糖尿病合併症に関するデーターも集積されている。150例程度で一定の方向性を見るため、血中分泌型VLDL受容体濃度を測定し、臨床的意義を検討したい。
①ヒトにおける血中分泌型VLDL受容体濃度測定の費用に充てる。②解析結果分析費用に充てる。③インスリンがVLDL受容体発現を制御していることを見いだしたため、この解析における分子生物学的試薬購入に私用する。
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