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2011 年度 実施状況報告書

動脈硬化症における泡沫現象関連遺伝子発現の分子機構の解明と臨床的意義に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591339
研究機関自治医科大学

研究代表者

大須賀 淳一  自治医科大学, 医学部, 准教授 (10334400)

研究分担者 石橋 俊  自治医科大学, 医学部, 教授 (90212919)
野牛 宏晃  自治医科大学, 医学部, 講師 (60348018)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードマクロファージ / コレステロールエステル / 泡沫化 / 粥状動脈硬化症
研究概要

本研究は、マクロファージの泡沫化に関与する諸分子の中でもコレステロールエステル水解酵素NCEH1に着目して、ヒト粥状動脈硬化へのNCEH1の関与を生化学的、分子生物学的、遺伝学的手法で解析するものである。NCEH1ノックアウトマウスでは動脈硬化の進展が認められたが、ヒトにおいて欠損症は同定されていないし、欠損した既存の細胞株もない。そこで、NCEH1の酵素活性の阻害剤であるAS115を用いて酵素活性を抑制して検討した。まず、AS115による酵素活性の抑制が欠損モデルと同等の効果があるのかを調べるため、野生型マウスの腹腔マクロファージに添加した。NCEH1欠損の場合には25水酸化ステロールによる小胞体ストレスが惹起されCHOPなどが誘導されることが予備的に分かっているが、野生型マクロファージにおいても同様にAS115と25水酸化ステロールの添加はCHOPの誘導をもたらすことが分かった。従って、AS115を用いれば、ヒト単球由来マクロファージや細胞株のNCEH1を抑制して、欠損症に近い状態を作ることができる。こうした細胞を用いることにより、NCEH1の発現量低下により変化する分子が明らかになり、泡沫化現象に関わる諸分子の役割が明確になる可能性がある。さらに、冠動脈疾患を有する患者および基礎疾患となる糖尿病の患者においてこれら遺伝子のSNP解析をすることにより疾患感受性アリルなどの同定に結びつくことが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動脈硬化に関連した臨床情報を入力したデータベースを構築した。泡沫化に関連するNCEH1などの遺伝子発現プロフィールはNCEH1の阻害薬を用いることで候補遺伝子を絞り込むことができそうである。NCEH1を中心としたSNP解析や動脈硬化病変の免疫組織学的検討は進んでいない。

今後の研究の推進方策

NCEH1を中心としたSNP解析や動脈硬化病変の免疫組織学的検討を最優先課題として進めていく。そのために、血液の採取、単球の分離、SNPタイピングなどを高速化できるように人員の確保を行う。また、平成24年度にはM1/M2マクロファージの分離も必要になるので施設内のFACS利用の申請を行う。

次年度の研究費の使用計画

SNPタイピングを行うための試薬、免疫組織学的検討に要する抗体、FACSに使用する抗体、単球を分離・培養するために試薬や血清、コレステロールエステル水解活性を測定するためのアイソトープ、他、チュープ、ピペット、培養器具などの消耗品の購入に研究費を使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Urinary protein as a marker for systolic blood pressure reduction in patients with type 2 diabetes mellitus participating in an in-hospital diabetes education program.2011

    • 著者名/発表者名
      Okada K
    • 雑誌名

      Hosp Pract (Minneap).

      巻: 39 ページ: 70-75

    • DOI

      10.3810/hp.2011.10.924

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Suppression of the pancreatic duodenal homeodomain transcription factor-1 (Pdx-1) promoter by sterol regulatory element-binding protein-1c (SREBP-1c).2011

    • 著者名/発表者名
      Amemiya-Kudo M
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 286 ページ: 27902-27914

    • DOI

      10.1074/jbc.M110.186221

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Abrogation of neutral cholesterol ester hydrolytic activity causes adrenal enlargement.2011

    • 著者名/発表者名
      Ohta K
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 404 ページ: 254-260

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2010.11.103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular analysis of a novel LCAT mutation (Gly179 → Arg) found in a patient with complete LCAT deficiency.2011

    • 著者名/発表者名
      Wang XL
    • 雑誌名

      J Atheroscler Thromb.

      巻: 18 ページ: 713-719

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The role of neutral cholesterol ester hydrolysis in macrophage foam cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Sekiya M
    • 雑誌名

      J Atheroscler Thromb.

      巻: 18 ページ: 359-364

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.jichi.ac.jp/naika/

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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