• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

NPYニューロンに発現するグルココルチコイドレセプターの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23591350
研究機関名古屋大学

研究代表者

有馬 寛  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50422770)

研究分担者 大磯 ユタカ  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40203707)
坂野 僚一  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80597865)
キーワードエネルギーバランス
研究概要

グルココルチコイド受容体(GR)の遺伝子がloxP配列ではさまれたノックインマウスとニューロペプタイドY(NPY)ニューロン特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスを交配し、NPYニューロン特異的なGRノックアウトマウスが得られた。同マウスに4週齢から高脂肪食を投与すると野生型マウスより有意に体重が減少すること、また内臓脂肪重量が有意に低下することが明らかとなった。以上の結果はNPYニューロンに発現するGRがエネルギーバランスを維持するのに必須の存在であることを意味している。一方、マウス視床下部器官培養を用いた検討では合成グルココルチコイドであるデキサメサゾン投与によるNPYおよびAgouti-related peptide (AgRP) mRNA発現の増強が小胞体ストレスを誘導するタプシガルギンあるいはトニカマイシンを培養液に加えることにより有意に減弱すること、タプシガルギンが炎症系のシグナルであるNFkB-p65を活性化すること、NFkB-p65の阻害によりタプシガルギンによるNPYおよびAgRP mRNA発現減弱がキャンセルされることが明らかとなった。また、タプシガルギンはMAPK (P38)も活性化するとともにデキサメサゾンによるGRのリン酸化 (Serine 211)も減弱させること、MAPK (P38)の阻害によりGRのリン酸化 (Serine 211)の減弱がキャンセルされることも明らかとなった。これまでの研究からカヘキシーや肥満症の発症に視床下部の小胞体ストレスや炎症が関与していることが示唆されているが、今回の検討から視床下部の小胞体ストレスが炎症系のシグナルを活性化すること、また小胞体ストレスは炎症系のシグナルを介して視床下部のGRを介したシグナルを阻害することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

グルココルチコイド受容体(GR)の遺伝子がloxP配列ではさまれたノックインマウスとニューロペプタイドY(NPY)ニューロン特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスを交配し、NPYニューロン特異的なGRノックアウトマウスが得られたこと、同マウスの解析が順調に進んでいること、マウス視床下部器官培養を用いた検討からもGRの解析が進んでいることから、研究はおおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

NPYニューロン特異的なGRノックアウトマウスに通常食を与え、体重の変化を野生型マウスと比較検討する。また、通常食あるいは高脂肪食を与えたNPYニューロン特異的なGRノックアウトマウスの摂食量、エネルギー消費を野生型マウスと比較検討する。また、NPYニューロン特異的にGRがノックアウトされていることwZ/EGトランスジェニックマウスを用いて検討するとともに、GRのプローベあるいは抗体を用いたin situ hybridization法、免疫染色法により視床下部のGRの発現を検討する。

次年度の研究費の使用計画

ノックアウトマウス、ノックインマウス、トランスジェニックの維持、繁殖。
視床下部器官培養、in situ hybridization、免疫染色法、ウエスタンブロット法、血中ホルモン測定。
学会発表および論文投稿の費用。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] POMC neuron-specific deficiency of GABAB receptor leads to obesity on a high fat diet2012

    • 著者名/発表者名
      Ito Y, Banno R, Shibata M, Adachi K, Hagimoto S, Goto M, Bettler B, Oiso Y, Arima H
    • 学会等名
      Neuroscience 2012
    • 発表場所
      New Orleans (USA)
    • 年月日
      20121013-20121017
  • [学会発表] 視床下部において小胞体ストレスはインスリンおよびグルココルチコイドによるNPY発現調節を減弱させる2012

    • 著者名/発表者名
      萩本 繁、有馬 寛、足立 浩一、伊藤 禎浩、森下 啓明、後藤 資実、坂野 僚一、椙村益久、大磯 ユタカ
    • 学会等名
      第85回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      20120419-20120421

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi