脂肪細胞由来の抗炎症性サイトカイン、アディポネクチン(APN)の分泌を促す効果的な方法は現在知られておらず、分泌機構を解明する事で創薬開発に繋げる事を目的とする。 脂肪細胞に脂肪酸7種のカクテルを生理的な混合比で負荷したところAPNの分泌亢進が見られた一方、バランスを欠いた組成では分泌は低下した。APN分泌はVAMPという分子の制御で小胞輸送により行われる。APN分泌が亢進する脂肪酸カクテル負荷でVAMP2の発現亢進が、分泌が低下する飽和脂肪酸過剰でVAMP3の発現低下が見られた。両者の発現を阻害するとAPN細胞内貯留量が減少した事より細胞内プール形成の候補分子と考えられた。
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