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2012 年度 実施状況報告書

甲状腺癌幹細胞の高精度新規マーカー群の同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23591357
研究機関長崎大学

研究代表者

光武 範吏  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50404215)

キーワード甲状腺癌 / 癌 / 癌幹細胞
研究概要

昨年度に引き続き、セルソーターから直接細胞を低接着培養プレートにソートし、特殊な無血清培地で培養する方法を組み合わせ、甲状腺癌細胞株を用いて癌幹細胞マーカーの検索を行った。その結果、マーカー候補としてALDH1活性、CD326を同定したが、ALDH1活性はいくつかの細胞腫でマーカー候補であることが確認されたものの、全ての細胞腫における共通のマーカーとはならなかった。また、CD326はFRO細胞でのみマーカーとして利用できた。このことは、ALDH1活性は、甲状腺癌幹細胞の重要なマーカー候補であるものの、他にもマーカーが存在すること、また各症例ごとにマーカーが異なっている可能性を示唆している。甲状腺癌においては、癌幹細胞をターゲットとした治療を考える場合、腫瘍ごとに対応を変える必要があるのかもしれない。今後も、マーカー同士の関連など、詳細な研究の継続が必要であると考えられた。
また、ヌードマウスに細胞株で作らせた腫瘍、さらにスフェロイド培養にて作らせたスフィアから細胞を調製し、マーカー発現の変化をフローサイトメトリーで確認したところ、通常の接着培養系と比較し、両者には高い類似性が見られた。このことは、スフェロイド培養法は、より生体内での腫瘍の状態を反映していることが示唆された。ただし同時に、スフェロイド培養法では、癌幹細胞をそのままの状態で分裂増殖されているとは考えにくく、その状態でヘテロな細胞集団を生み出している可能性も考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ、当初の計画通りである。

今後の研究の推進方策

このまま、当初の計画通りに推進する。

次年度の研究費の使用計画

物品費120万、旅費40万、その他40万で計画している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Functional characterization of the novel BRAF complex mutation, BRAF(V600delinsYM) , identified in papillary thyroid carcinoma.2013

    • 著者名/発表者名
      Matsuse M, Mitsutake N, Tanimura S, Ogi T, Nishihara E, Hirokawa M, Fuziwara CS, Saenko VA, Suzuki K, Miyauchi A, Yamashita S.
    • 雑誌名

      Int J Cancer

      巻: 132 ページ: 738-43

    • DOI

      10.1002/ijc.27709

  • [雑誌論文] Copy number alteration and uniparental disomy analysis categorizes Japanese papillary thyroid carcinomas into distinct groups.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuse M, Sasaki K, Nishihara E, Minami S, Hayashida C, Kondo H, Suzuki K, Saenko V, Yoshiura K, Mitsutake N, Yamashita S.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7 ページ: e36063

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0036063

  • [雑誌論文] Imatinib enhances docetaxel-induced apoptosis through inhibition of nuclear factor-κB activation in anaplastic thyroid carcinoma cells.2012

    • 著者名/発表者名
      Kim E, Matsuse M, Saenko V, Suzuki K, Ohtsuru A, Mitsutake N, Yamashita S.
    • 雑誌名

      Thyroid

      巻: 22 ページ: 714-24

    • DOI

      10.1089/thy.2011.0380

  • [学会発表] 甲状腺癌幹細胞マーカーの網羅的解析2012

    • 著者名/発表者名
      嶋村美加、永山雄二、山下俊一、光武範吏
    • 学会等名
      第55回 日本甲状腺学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121129-20121201
  • [学会発表] ヒト甲状腺癌における癌幹細胞誘導機序としての上皮間葉移行2012

    • 著者名/発表者名
      安井和明、嶋村美加、光武範吏、永山雄二
    • 学会等名
      第71回 日本癌学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] 甲状腺癌幹細胞単離の試み2012

    • 著者名/発表者名
      嶋村美加、光武範吏、永山雄二
    • 学会等名
      第71回 日本癌学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] 放射線と甲状腺癌2012

    • 著者名/発表者名
      光武範吏
    • 学会等名
      第30回 内分泌代謝学サマーセミナー
    • 発表場所
      渋川
    • 年月日
      20120712-20120714
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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