今後の研究の推進方策 |
(1)NERP受容体の探索 NERP受容体を探索するためNERP投与で内在性ペプチド分泌が制御される培養細胞株を用いる。オートラジオグラフィーを基にcDNAライブラリーを作製し、発現クローニング法を用いてNERP受容体のクローニングを行う。NERP受容体同定後にNERP受容体強発現細胞株を作製し、NERPペプチド変異体と受容体との薬理学的解析を行うとともに、細胞内シグナル伝達機構についても解析を進める。ペプチドのレセプターとして重要なG蛋白共役型受容体(GPCR)のライブラリーに新規摂食関連ペプチドを添加し、現有のIMACS細胞内イオン動態画像解析システム(Toshinai K, Yamaguchi H, et al, Endocrinology, 147: 2306-14, 2006)を用いてスクリーニングする。 (2)NERPの膵星状細胞活性化や膵ラ氏島繊維化におよぼす影響 膵星状細胞 (PSC)をラット膵臓から単離し、in vitroで培養する。新規生理活性ペプチドの膵星状細胞活性化への影響を高ブドウ糖の有無、新規ペプチドの有無の条件下で[3H]取り込み法やα-SMA免疫染色法で評価する。ERK1/2のリン酸化を計測し、PSC細胞活性化における新規生理活性ペプチドの細胞内メカニズムを解明する。In vivo実験として、OLETF ratsを新規生理活性ペプチドで治療し、コントロール群と比較検討する。膵β細胞の細胞量や繊維化の比率を、TGF-βやα-SMAの免疫染色で評価し、膵繊維化における新規生理活性ペプチドの意義を検討する。新規生理活性ペプチドの作用機序を解明するために、TGF-β, CTGF, fibronectin やα-SMAの発現量をmRNAおよびと蛋白質レベルで検討する。
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