研究課題/領域番号 |
23591359
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
木村 博昭 自治医科大学, 医学部, 講師 (70593622)
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キーワード | 免疫プロテアソーム / メタボリック症候群 / 脂肪肝 / 肥満 / 動脈硬化 |
研究概要 |
肥満症や糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病は、メタボリック症候群という内臓脂肪型肥満が起因とされる。近年、その病態に免疫・炎症反応の関与が明らかとなり、治療の対象となる可能性も有り、注目されている。本研究では、動物モデル及び細胞実験の両面から内臓脂肪炎症での免疫プロテアソームの役割を解明し、肥満症及び糖尿病等の生活習慣病発症の予防法及び治療法を確立することを目的とする。 遺伝子改変マウスの作製に関しては、改変マウスが生まれてこないため、その遺伝子を再構築する必要性が有り、現在検討中である。 免疫プロテアソームの遺伝子改変マウスと野生型のマウスに高脂肪食負荷を行い、内臓脂肪蓄積・肥満や脂肪肝形成などを比較した。免疫プロテアソームの遺伝子改変マウスとして、そのサブユニットであるLMP2もしくはLMP7遺伝子欠損マウスを利用した。興味深いことに、それぞれのマウスでフェノタイプが少し異なることが明らかとなった。 LMP7遺伝子欠損マウスでは、高脂肪食負荷による体重増加が改善され、内臓脂肪蓄積・脂肪肝形成も抑制された。遺伝子発現解析や免疫染色によりマクロファージの集積が抑制されていることが明らかとなった。一方で、LMP2遺伝子欠損マウスでは、高脂肪食負荷による体重増加・内臓脂肪蓄積が改善されたが、脂肪肝形成は全く抑制されなかった。現在、さらにその機序を解析中である。 以上のことから、メタボリック症候群のモデル病態において、病態形成に免疫プロテアソームが関与していることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子欠損マウスでの研究は進んでいるが、遺伝子改変(トランスジェニック)マウスの作製が進んでいない。蛍光で全身が光るマウスは作製しにくい。
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今後の研究の推進方策 |
今後、免疫プロテアソームの詳細な作用機序を解析する予定である。また、各サブユニットの欠損でフェノタイプが異なることから、それぞれの特異的な阻害剤を利用した治療法ができる可能性が有り、阻害剤を利用した研究も行う予定である。遺伝子改変(トランスジェニック)マウスの作製については、遺伝子の再構築を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
主にトランスジェニックマウス作製にあて、病態モデルの解析のために、遺伝子発現解析の試薬や抗体・キットなどを購入する予定である。
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