肥満は代謝異常をきたす危険因子である。炎症は肥満病態に関わっているが、未知の点が多い。蛋白質を分解する免疫プロテアソームサブユニットの一つであるLMP7は免疫システムにおいて重要で、リウマチや大腸炎・甲状腺炎などの炎症性疾患に関与する。肥満に炎症が関わることから、LMP7欠損マウスを利用して、肥満におけるLMP7の役割について検討した。LMP7欠損により、高脂肪食による肥満・内臓・皮下脂肪の蓄積、脂肪組織での炎症が抑制され、耐糖能なども改善された。これらの病態発現に、血球(免疫)細胞・組織細胞両方のLMP7が関与することがわかった。本研究により、LMP7が治療の対象となりうることが示唆された。
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