研究課題/領域番号 |
23591365
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高橋 直人 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80344753)
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研究分担者 |
田川 博之 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30373492)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 慢性骨髄性白血病 / microRNA |
研究概要 |
5-10検体程度の患者検体を用いて造血幹細胞から派生する3系統前駆細胞各分化段階でのmiRNA発現を検討した。各linageはセルソータ(Moflo)によりモノクローナル抗体を用いて選別し、それぞれのlinageでmiRNAの網羅的発現解析(miRNA array)を行い、「正常対応細胞と比較して顆粒球系細胞とB細胞、T前駆細胞で発現が抑制または亢進しているmiRNA」を同定すことが目的である。発現差のあるmiRNAはノーザンブロットやq-PCRでバリデーションを行った。またmiRNAの正常検体(n=5)との発現パターンを比較した。現在2検体の臨床検体と2正常検体でmiRNA発現を比較検討し、B細胞前駆細胞と顆粒球前駆細胞とその成熟細胞で5つのmiRNAが発現低下を来しかつ、T 細胞で発現上昇していることを見出した。このうちmiR-203を含む2つのmiRNAがABLを標的にもつ。さらに我々は、この2つのmiRNAが直接ABL mRNAの3’ UTRに結合し、制御することをルシフェラーゼアッセイで証明した。これらのmiRNAはCLP, GMPレベルでは発現が正常にみられることから、B細胞と顆粒球では、何らかの転写因子、ゲノム欠損あるいは、エビゲノム的機構で発現が低下しBcr-Ablの発現上昇または、安定化を招いている可能性が示唆された。同様に、T細胞で発現低下しているがBCR-ABL陽性でB細胞前駆細胞と顆粒球前駆細胞とその成熟細胞で発現が亢進しT細胞で低下する7つの miRNA(e.g. miR-Y)を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(理由)骨髄性白血病(CML)発症マウスの作成に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
骨髄性白血病幹細胞特異的に発現するmicroRNAを同定するために、マウスの幹細胞linage+,linage-, KLS+細胞と、CML発症マウスのlinage+,linage-, KLS+細胞を純化し、RNAを抽出、網羅的なmiRNA発現解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、消耗品として、マウスの購入費にあてる。また、国内の学会参加に使用する。
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