我々は細胞周期制御蛋白であるMgcRacGAPが、ユビキチン依存的な分解機構を提唱し、そのユビキチン化の検証及びメカニズムの解析を行っている。これまでの研究からMgcRacGAPはユビキチンリガーゼCdh1依存的に分解され、MgcRacGAPのC末領域(537-632)、特にそのなかでもアミノ酸領域537-71がその分解調節領域であることを、主に大量発現体の解析から同定した。またこの機能にCdh1が不可欠であることを、Cdh1遺伝子変異マウス由来の線維芽細胞を用い証明した。さらにレポーターアッセイによりMgcRacGAPmRNAの3'UTRにmicroRNAのmiR-17-92が結合することが判明、また293T細胞においてmiR-17-92を過剰発現すると、mRNAの発現が有意に抑制され、miR-17-92によってもMgcRacGAPの量的制御が行われていることが判明した。 またMgcRacGAPを大量発現させると、柵Fや各種細胞株の放射線感受性が更新すること、MEFの増殖を抑制することからMgcRacGAPの量的制御が細胞のホメオスターシスや増殖に重要であることが示唆された。
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