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2012 年度 実施状況報告書

ピロリ菌惹起ITPにおける外毒素VacAと血小板マルチメリンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 23591378
研究機関山梨大学

研究代表者

尾崎 由基男  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30134539)

研究分担者 佐藤 金夫  山梨大学, 医学部, 助手 (20242662)
高野 勝弘  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (60382925)
キーワード特発性血小板減少症 / ヘリコバクターピロリ / マルチメリン / 毒素
研究概要

今年度はVacA依存性の血小板活性化におけるMMRNの役割について分子生物学的な手法を用いて解析を進めるため、より強力なプロモーター活性を有するプラスミドベクターを用いて、MMRN全長遺伝子の導入を行い、MMRNを発現することを試みた。しかし、大腸菌や 巨核球系培養細胞を溶解した内容には、MMRNが認められたもの、MMRNの全長蛋白をVacAとの結合を評価できる量のMMRNを、 培養上清、また 細胞破壊後の上清からaffinity column で分離することができなかった。
そこで、よりMMRNのVacAとの結合部位を含むsequence (100アミノ酸前後)を作成することを試みたが、これも失敗に終わった。 そこで、このsequence にGFP蛋白を融合させたconstruct を作成し、GFPでスクリーニングすることにより、MMRN部分sequence を発現する大腸菌、巨核球系培養細胞の選択を行った。この方法により、transfection が成功した細胞を選択的に培養できるようになったが、やはり 細胞培養上清、細胞破壊分画から MMRN部分を十分量得ることに成功できてはいない。 (これについては、次年度の目標として残る)
VacAと血小板上のMMRNが反応することにより、血小板活性化が起きるとの仮説についての検証には、ある程度の進捗が見られた。すなわち、T-TASと呼ばれる全血での凝固、血小板活性化を顕微鏡下の観察、また流路の圧変化で測定できる系を用い、血液にVacAを加えることにより、血栓の早期形成、流路圧の早期変化を認め、VacAが血小板に作用して、血栓の形成を増強することが示された。次年度はMMRN抗体などを用いて、この阻害などを評価するつもりである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要にも書いたように、MMRNのリコンビナント蛋白を作ることを目標に、いろいろなコンストラクトまたその導入法、プロモーターを試しているが、いまだにVacAとの結合、結合後の機能変化を評価するだけのタンパク量が作成できないである。
一方、MMRNとVacAの結合により、血小板活性化を起こしているとの証拠として、以前確認したp-selectin発現のみでなく、全血の系での血栓形成増強作用を確認できたことは、一定の進歩と評価できる。

今後の研究の推進方策

現在、プロモーター、コンストラクトについても、新たなものを設計中である。また GFPをコンストラクトに結合させたもので、トランスフェクションに成功した細胞のみを選択的に濃縮し、MMRNを効率的に採取したい。これに成功すれば、VacAとの結合、また凝固第V因子と結合しているMMRNの活性変化を評価したい。
T-TASを用いた血栓形成評価系を用いて、VacA投与により、どのような機序により血栓形成が増強するのかを詳細に評価したい。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Helicobacter pylori infection and immune thrombocytopenic purpura: new mechanism?2012

    • 著者名/発表者名
      尾崎由基男
    • 学会等名
      オーストラリア血液学会
    • 発表場所
      メルボルン、オーストラリア
    • 年月日
      20121028-20121031
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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