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2012 年度 実施状況報告書

AnamorsinとPicotの結合阻害を標的とした新規抗腫瘍剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591387
研究機関大阪大学

研究代表者

齊藤 則充  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30597399)

研究分担者 柴山 浩彦  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60346202)
織谷 健司  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70324762)
金倉 譲  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20177489)
キーワードAnamorsin / Picot / 鉄・硫黄クラスター / トランスジェニック / ERK1/2 / IkB / Bリンパ球
研究概要

Anamorsinは、抗アポトーシス分子としてB細胞性悪性リンパ腫を含む種々の腫瘍性疾患において、その病態形成に重要な役割をはたしている。また、我々はこれまでの研究において、AnamorsinはPicotと結合し、PKCおよびp38MAPKの活性を制御していることを明らかにした。
本研究においては、Anamorsin とPicotの結合を阻害することで、その下流のシグナル伝達を抑制することが可能かどうか検討し、さらには、その結合阻害剤(ペプチド)が、Anamorsinが過剰発現する腫瘍において、抗腫瘍活性を示し、将来、新規の分子標的抗腫瘍剤として開発できる可能性があるかどうかを検討している。
Anamorsinトランスジェニック(Tg)マウスの細胞を用いて増殖アッセイをおこなった。まず初めに、脾臓から単離したBリンパ球をLPSで刺激し、その増殖能を検討したところ、予想に反して、Anamorsin TgマウスのBリンパ球の増殖は、WTマウスのBリンパ球と比較して減弱していることが判明した。In vivoでLPSを投与した際も同様の結果であり、Anamorsin TgマウスのBリンパ球の増加反応は、WTマウスと比較して劣っていた。次にLPSで刺激した際のシグナル伝達分子の活性を、Western-Blotting法を用いて評価したところ、PKCおよびp38MAPKには差を認めなかったが、ERK1/2およびIkBのリン酸化は、Anamorsin TgマウスのBリンパ球において、低下していた。この結果から、Bリンパ球においてLPSで刺激した際のシグナル伝達におけるAnamorsinの作用点が明らかとなってきたので、今後、Anamorsin とPicotの結合阻害剤をスクリーニングする際の指標に用いることが可能となったと思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで、阻害物質のスクリーニング法がなかったが、AnamorsinとPicotの結合阻害剤をスクリーニングする際の指標となるアッセイ系が確立しつつある。

今後の研究の推進方策

マウスのBリンパ球を用いて、LPSで刺激した際のERK1/2あるいはIkBのリン酸化を指標として、そのリン酸化が亢進あるいは減弱する物質をスクリーニングし、AnamorsinとPicotの結合を阻害する候補物質を得る。

次年度の研究費の使用計画

前年度までと同様に、主に実験に用いる試薬代、培養液・培養器具代、マウスの飼育代として使用する。また、成果発表のための学会旅費および論文投稿料に使用する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The endothelial antigen ESAM monitors hematopoietic stem cell status between quiescence and self-renewal.2012

    • 著者名/発表者名
      T Sudo
    • 雑誌名

      J Immunol

      巻: 189 ページ: 200-210

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1200056. Epub 2012 May 30.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] STAP-2 interacts with and modulates BCR-ABL-mediated tumorigenesis.2012

    • 著者名/発表者名
      Y Sekine
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 31 ページ: 4384-4396

    • DOI

      10.1038/onc.2011.604. Epub 2012 Jan 9.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] C-terminal mutation of RUNX1 attenuates the DNA-damage repair response in hematopoietic stem cells.2012

    • 著者名/発表者名
      Y Satoh
    • 雑誌名

      Leukemia

      巻: 26 ページ: 303-311

    • DOI

      10.1038/leu.2011.202. Epub 2011 Aug 12.

    • 査読あり
  • [学会発表] Identification of osteoblast stimulating factor-5 as a novel regulator of early lymphocyte development

    • 著者名/発表者名
      N Fujita
    • 学会等名
      The 17th Congress of the European Hematology Association
    • 発表場所
      Amsterdam, Netherlands
  • [学会発表] An anti-apoptotic molecule, Anamorsin, is essential for erythropoiesis through the regulation of cellular labile iron pool

    • 著者名/発表者名
      A Tanimura
    • 学会等名
      The American Society of Hematology 54th Annual Meeting
    • 発表場所
      Atlanta, USA
  • [学会発表] An anti-apoptotic molecule, Anamorsin, functions in both Fe/S cluster assembly and iron homeostasis

    • 著者名/発表者名
      A Tanimura
    • 学会等名
      第74回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
  • [学会発表] Role of endothelial antigen ESAM in hematopoietic stem cells status

    • 著者名/発表者名
      T Sudo
    • 学会等名
      第74回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
  • [学会発表] Significance of novel HSC marker ESAM expression in cord blood

    • 著者名/発表者名
      T Ishibashi
    • 学会等名
      第74回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      京都国際会議場(京都)
  • [備考] 大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学教室 ホームページ

    • URL

      www.hematology.pro

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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