研究課題
Pim-2選択性の高いPim阻害薬として唯一入手可能なSMI-16aは、培養系および骨髄腫動物モデルで高い治療効果を発揮するが難溶性であるため、SMI-16aをリード薬として2,4-チアゾリジンジオン構造の側鎖にフェノール性水酸基を導入し構造変換した誘導体12aOHを作成した。12aOHのin vivoの効果を、マウス骨髄腫細胞株(5TGM1)を移植した骨髄腫動物モデルで検討した。14日間の投与で血中M蛋白量が減少し、μCTでは骨融解病変形成の抑制と腫瘍の著明な縮小効果が認められた。SMI-16aと比較し、同等の抗腫瘍効果、骨破壊の抑制に関してはより強い効果が見られ、12aOHはin vivoで期待される活性を有することが明らかになった。Pim阻害薬の骨芽細胞分化誘導作用の機序についても検討を進めた。骨形成誘導因子であるBMP-2によるMC3T3-E1前骨芽細胞のSmad1/5およびp38MAPKのリン酸化は、Pim阻害薬の前処置により増強したが、Pim-2の過剰発現によりSmad1/5およびp38MAPKのリン酸化が抑制された。Pim阻害薬の前処置により、BMP-2の標的分子である骨芽細胞分化に必須の転写因子Osterixの発現誘導が増強した。さらに、TGF-βはBMP-2の骨形成誘導作用を拮抗するが、Pim阻害薬の前処置によりTGF-βによるSmad2/3のリン酸化の誘導が抑制された。Smad6はBMP-2の下流シグナルを抑制する抑制性Smadであるが、Pim阻害薬の添加によりこのSmad6の発現が減少した。また、BMP経路とともに骨形成誘導において重要なシグナル経路であるWnt/β-catinin経路には影響がなかったことより、Pim阻害薬の骨形成誘導作用は主としてBMP-2の骨形成シグナルを増強させもたらされていることが明らかになった。
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