骨髄異形成症候群(MDS)は高齢者に多く、同種造血幹細胞移植の適応となる一部の若年者を除き、根治的治療法がないのが現状である。近年、がん幹細胞モデルが提唱され、がん幹細胞を標的とした治療法の研究開発が盛んであるが、MDSでは、腫瘍性幹細胞も未だ同定されていない。幹細胞アッセイに用いられる現存の異種移植モデルでは、MDS細胞の生着が非常に低く、MDS幹細胞研究の障壁となっている。本課題では、MDS幹細胞の分離・同定と、疾患モデルマウスを確立を行うための、Rag2欠損、IL2Rg欠損とヒトSIRPAノックインによる完全マクロファージ寛容の導入、ヒトIL-3導入次世代免疫不全マウスラインを樹立した。
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