研究課題/領域番号 |
23591394
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
塚崎 邦弘 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40274659)
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研究分担者 |
今泉 芳孝 長崎大学, 大学病院, 助教 (40404305)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | HTLV-1 / キャリア / ATL / くすぶり型 / 多段階発がん / 併合解析 / 中間群 / 低悪性度 |
研究概要 |
すでに集計している90例の低悪性度ATL を急性転化の遅速で、キャリア約250例を測定済みのHTLV-1ウイルス量の高低で、それぞれATLの進展・発症リスクで2群に分ける。全4群のうち高ウイルス量を呈するHTLV-1キャリアと長期フォローで急性転化しなかった低悪性度ATLの類似性について他の2群と比較しながら、血清・細胞・HTLV-1ゲノム/宿主遺伝子発現・コロニー形成細胞解析によって以下のように抽出し、このような中間群の特徴を明らかにしつつある。健常HTLV-1キャリア:40歳以上の住民健診でHTLV-1キャリア率が20%以上の高浸淫地において今年度も住民成人病検診に付随したHTLV-1検診を実施して、すでに構築していた約250人の健常HTLV-1キャリア集団のうち約90例のフォローアップ採血を行った。キャリアの中に末梢血で高ウイルス量を認める症例が約10%存在することを同定しているが、現時点までこの集団からのATLの発症はない。低悪性度ATL:1974年以降に当科で診断された臨床的特徴、成熟T細胞形質を有する腫瘍細胞の存在、抗HTLV-1抗体陽性などより診断されたATL症例約500例のうち慢性型(65例)またはくすぶり型(25例)と診断された90症例(Takasaki Y, et al., Blood,2010)。1990年代以降はサザンブロット法によるHTLV-1プロウイルスの腫瘍細胞へのモノクローナルな組み込みを証明している。同時期から採取したヘパリン血、リンパ節あるいはその他の臓器から分離したATL細胞と血漿を凍結保存している。本年度、さらに約10例の新規低悪性度ATL症例から臨床情報と血液をサンプリングした。以上の健常HTLV-1キャリアと低悪性度ATLの検体、さらには今後のフォローデータを用いて中間群を今後抽出する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者とともにHTLV-1キャリアとATL患者からのサンプリングはほぼ順調に進んだが、本研究に携わる大学院生が臨床に携わる時間が、当初の予定よりも長くなったため。
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今後の研究の推進方策 |
大学院生を含めた研究協力者による本研究への協力を高め、研究分担者と推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度に予定していた研究のうち、実施できなかった分と次年度に予定していた分に使用する。
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