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2013 年度 実績報告書

ゲノム構造異常とエピゲノム異常の包括的解析に基づく新規骨髄腫治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591399
研究機関札幌医科大学

研究代表者

石田 禎夫  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20305220)

研究分担者 池田 博  札幌医科大学, 道民医療推進学講座, 助教 (60570132)
キーワードmultiple mueloma / methylation / LINE-1
研究概要

今回我々は,多発性骨髄腫におけるDNA繰り返し配列のメチル化レベルと染色体異常および予後との関連について検討を行った。これまでにも様々な腫瘍においてその低メチル化が指摘されているが,今回の検討により多発性骨髄腫においてもLINE-1は有意に低メチル化していることが示され,かつその前癌病変であるMGUSは正常コントロールと骨髄腫の中間のメチル化レベルを示したことから多発性骨髄腫の進展に伴いメチル化レベルが段階的に低下する可能性が示された。さらに,LINE-1メチル化レベルと染色体欠失の程度には有意な逆相関を認め,LINE-1が低メチル化している検体ほど染色体欠失が多いことが示された.染色体欠失が生じる場合には染色体欠失領域の両断端が重要と考え,染色体欠失領域の断端と隣接するプローブの間の領域をBreakpointとして抽出し詳細な検討を行った。Breakpointのうち4症例以上で共通して認められるものをCommon break point (CBP)と定義したところ、全ゲノム中に80のCBPが同定された。CBP領域にはその他の領域と比較しLINE-1がより多く存在することが示され,かつ breakpointの数とLINE-1のメチル化レベルには有意な逆相関が認められたことから,LINE-1が高密度であり低メチル化を生じている検体では染色体欠失が生じやすいことが推察された.また,LINE-1のメチル化レベルと予後の相関を検討した結果,LINE-1の低メチル化は独立した予後不良因子であることが示された.多発性骨髄腫においては染色体がnon-hyperdiploidy(染色体の高度な増幅を伴わない)である群が予後不良であることが知られているが,non-hyperdiploidyは染色体欠失に特徴づけられる一群であり,このことは今回の結果と一致すると考えられた.

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 多発性骨髄腫におけるエピゲノム異常と治療の可能性2013

    • 著者名/発表者名
      安井寛、石田禎夫.
    • 雑誌名

      血液内科

      巻: 66 ページ: 337-345

  • [雑誌論文] 多発性骨髄腫:染色体異常と臨床病型・予後2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫.
    • 雑誌名

      臨床血液

      巻: 54 ページ: 1856-1866

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多発性骨髄腫の治療(2)移植非適応例2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 雑誌名

      臨床血液

      巻: 54 ページ: 711-714

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多発発性骨髄腫治療におけるトリプレット療法2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 71 ページ: 1691-1696

  • [雑誌論文] 多発性骨髄腫に対する免疫調節薬治療2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 雑誌名

      Jpn J Cancer Chemother

      巻: 40 ページ: 589-593

  • [雑誌論文] 高齢者多発性骨髄腫の特徴と治療の実際2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 雑誌名

      血液フロンティア

      巻: 23 ページ: 1733-1742

  • [雑誌論文] 移植非適応の多発性骨髄腫患者に対する治療2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 雑誌名

      International Journal of Myeloma

      巻: 3 ページ: 12-25

    • 査読あり
  • [学会発表] 染色体異常と臨床病型・予後2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 学会等名
      第75回日本血液学会学術集会.教育講演
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20131013-20131014
    • 招待講演
  • [図書] IgM型多発性骨髄腫. 新領域別症候群シリーズ No.232013

    • 著者名/発表者名
      池田博、石田禎夫
    • 総ページ数
      536-538
    • 出版者
      日本臨床社
  • [図書] 日本臨床社2013

    • 著者名/発表者名
      池田博、石田禎夫
    • 総ページ数
      539-541
    • 出版者
      IgE型多発性骨髄腫. 新領域別症候群シリーズ No.23
  • [図書] 骨髄腫の腎病変に対する管理、治療.多発性骨髄腫 Updating 第2巻2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 総ページ数
      89-99
    • 出版者
      医薬ジャーナル社
  • [図書] 多発性骨髄腫に対する初期治療の概念.多発性骨髄腫 Updating 第3巻.2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 総ページ数
      12-27
    • 出版者
      医薬ジャーナル社
  • [図書] 自家移植の位置づけ.多発性骨髄腫 Updating 第4巻.2013

    • 著者名/発表者名
      石田禎夫
    • 総ページ数
      144-150
    • 出版者
      医薬ジャーナル社

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公開日: 2015-05-28  

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